山 行 記 録

【平成16年12月24日(金)/吾妻連峰 天元台〜中大巓】



新雪を独り占め(北望台付近)


【メンバー】単独
【山行形態】テレマークスキーによる山行、冬山装備、日帰り
【山域】吾妻連峰
【山名と標高】中大巓1,964m、(カモシカ展望台まで)
【天候】晴れ時々曇り
【温泉】アルブ天元台 300円
【行程と参考コースタイム】
 第2リフト終点10:20〜北望台11:40〜中大巓(カモシカ展望台)12:10〜ゴンドラ乗り場上駅14:00〜湯本駅駐車場14:20

【概要】
昨日はほぼ7カ月ぶりというテレマークスキーの足慣らしのため、蔵王ライザスキー場へと出かけてみた。しかし、地肌も見えるほどのゲレンデには唖然とするばかりで、スキーツアーなど出来る状況ではなかった。今年の積雪の少なさは尋常ではなさそうであった。今日は昨日のリベンジというわけで、天元台スキー場へと向かった。天元台は標高が高い分だけさすがに雪は豊富だった。しかし、本来の積雪にはほど遠く、3基あるリフトのうち動いているのは2基だけで、最上部の第3リフトは停まったままであった。しょうがないので第2リフトの終点からはシールを貼ってリフト沿いに登って行くことにした。新雪に踏み出すとスキーは20cmほどしか沈まない。しかしスキーをはずせば膝上まで潜るほどで、リフト下では風がないだけに結構な雪の量があるようであった。久しぶりのラッセルだったが、7カ月ぶりのシール登高はうれしいばかりであった。雪さえあればリフトなどあってもなくても関係がないわけで、こんなときのテレマークスキーのありがたさにしみじみとする。自宅を出るときには心配していた天候も、いつのまにか青空が見えるほどで、今日は予想以上のツアー日和であった。

小1時間ほど登ると北望台の急斜面に出た。一部に笹薮が見えているが手つかずの新雪が降り積もっていて、ここは今日の行程で唯一、快適な滑降が楽しめそうな斜面であった。後ろを振り返っても誰も登ってくる様子はなく、今日は吾妻連峰を独り占めできそうである。無垢の雪面は滑るときまで残しておきたいので、できるだけ斜面の端を登ってゆく。振り返ると米沢市の市街地が広がっていたが、飯豊連峰や朝日連峰は雲に隠れて見えなかった。北望台からは中大巓の山頂をめざし樹林帯へと入ってゆく。ところが積雪の少なさがここにきて影響が現れる。潅木がまだほとんど埋まっていないので、まるでヤブ漕ぎのような状態なのである。常には何でもないところが、今日は前進することさえままならなかった。右往左往しながら四苦八苦したが、ついには断念するしかなく、カモシカ展望台の少し手前で今日の行程を打ち切ることにした。身近な山にもようやく待望の積雪があったとはいえ、まだまだツアーができるような状況ではなかったようである。2時間近くのシール登高で、両足は異様なほどの疲れを感じていた。

北望台まではシールを貼ったままで戻った。登り始めてから2時間ほど経っていたが、人の気配はなく、その後も誰も登ってきた様子はなかった。シールをはずせば待望の滑降である。自分の足で稼いだ標高だと思うと、ひとつひとつのターンが貴重であった。とはいっても距離が短いのであっというまに平坦部に着いてしまった。このまま下山するのはあまりにもったいないので、途中でシールを貼りなおし、再び北望台に登り返した。何の変哲もないこの斜面が、今日は涙が出そうな程ありがたく思えてくるようであった。今回はリフトが動かなかったおかげでこうしてパウダーが味わえるのだから世の中はわからないものである。今日はツアーともいえないようなものだったが、久しぶりのシール登高と快適な滑降を味わったことで、気持ちは一気にテレマークスキーに切り替わってしまった。


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