山 行 記 録

【平成16年12月4日(土)/阿武隈山地 花塚山



赤松林の登山道が続く


【メンバー】単独
【山行形態】冬山装備、日帰り
【山域】阿武隈山地
【山名と標高】 花塚山 (はなづかやま)919m
【天候】曇り時々晴れ
【行程と参考コースタイム】
 
花塚の里駐車場10:40〜花塚の里(登山口)10:56〜稜線の分岐11:26〜山頂11:34-40〜花塚台11:47〜峠の分岐11:55〜花塚の里12:30〜駐車場12:35
 
【概要】
花塚山は阿武隈山地の北部に位置し、干ばつの年には雨乞いも行われたという信仰の山である。麓には「花塚の里」と「峠の森自然公園」があり、この2箇所が主な登山口となっている。一帯は遊歩道や標識などが整備されており、夏場には家族連れの登山者でかなり賑わいそうな山であった。

町道花塚線から入るとすぐに車止めがされていて、地元の車が1台駐車中であった。付近には登山口の表示がなく、不安を抱きながら準備を整える。半信半疑で歩いてゆくとまもなく放鹿神社の鳥居をくぐって「花塚の里」と呼ばれている公園に出た。奥に進むとようやく案内板とともに花塚山登山口の標識があり一安心する。公園には滑り台やブランコ、アスレチック、遊具、東屋などがあり、シーズンには子供連れの人たちで賑わいそうであったが、今は人気もなく寂しい雰囲気が漂っている。案内板で確認すると周回できそうなので、コースの概略を手帳に書き留めてから登り始めた。

見事な松林の急坂を登ってゆくと次第に雑木林となった。まもなく花崗岩の奇岩怪石などが現れ、石の間を半分攀じ登りながら高度が一気に上がってゆく。ハイキングコースかと思っていたが、予想外に本格的な登りのようである。しまいには汗が噴き出してきてしまい、途中から下着一枚になった。途中、中央御室岩へ立ち寄り、分岐から急坂をさらに登ると、稜線上の分岐に出た。標識には、護摩壇岩へ徒歩1分、花塚山山頂へは右手に410m、15分とある。緩やかな起伏を登り返していると山頂の直下で中高年3人組を追い越す。何が入っているのか、3人とも場違いなほど大きなザックを背負っていた。山頂には分岐から約8分で到着した。三角点はあるものの展望はそれほどよくなかった。まもなく途中で追い越した3人組が登ってきた。彼らは大きなシートを広げてこれからのんびりと昼食を始めるところであった。私は菓子パンを1個かじっただけで山頂を後にした。

分岐に戻ると、護摩壇岩と展望台の立つ花塚台まではすぐであった。高さが3mほどの護摩壇岩には鎖があって攀じ登ることができるようになっている。展望台からは吾妻連峰や安達太良山が正面で、阿武隈山地のなだらかな山々や麓の集落が見渡せた。晴れていれば仙台湾や、遠く牡鹿半島まで見えるはずだったが、あいにく今日は薄曇りに加え、靄に霞んで遠方までは見えなかった。花塚台からは北に向かって一気に下った。直進すれば北峰を経由して「峠の森自然公園」に向かう道で、峠の標識からは「花塚の里」へと左の道を下りて行く。標識には、里までは85分2430mとあったが、そんなにはかからないだろうと思いながら先を急いだ。

沢沿いに下ってゆくとまた分岐の標識が立っている。遊歩道とはいえ、標識が多いということはそれだけ迷いやすいということでもあるのだろう。しかし、付近は探勝路という名前に相応しく、景観が新鮮で歩いていても楽しい道であった。花塚台と同じ様な展望台を通過すると、そこから「花塚の里」までは急坂の下りとなった。登りはじめてから約2時間。この花塚山は周回コースを取れたことで、意外と満足感を感じた山であった。駐車場に戻ると、いつのまにか宮城ナンバーの車が1台増えていた。


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