山 行 記 録

【平成16年11月20日(土)/吾妻連峰周辺 兜山】



下山途中、カモシカに出会う


【メンバー】単独
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】吾妻連峰周辺 
【山名と標高】兜山(かぶとやま)1199
【天候】晴れ時々曇り
【行程と参考コースタイム】
綱木登山口9:55〜兜山11:00-05〜登山口11:55 

【概要】
兜山は吾妻連峰の一角に聳える山。ガイドブックによると、山頂部が武士の兜に似ていることから付けられたというのが由来らしいのだがそれも定かなことはわからないとういう。山の標高は1200mほどあって、登りの標高差が約600mというから、ちょうど長井葉山と同程度の山といえるだろうか。小野川温泉から綱木集落へ向かうかと、道路はダム工事のおかげで走りやすくなっていて、特に心配することもなく綱木の集落に着いた。集落の近くでは綱木川の工事中で、さらに南端まで進むと登山者用の駐車場があった。分県登山ガイド「山形県の山」では、すぐ近くにグランドと書かれてあるがそんなところは見あたらなかった。

ガイドブックでは綱木川に架かる頼りない丸木橋を渡って対岸に移るとある。しかし、現在は兜山橋というコンクリート製のりっぱな永久橋に変わっていた。ブルで切り開かれた道を進むと山の入口には「平成13年5月6日登山道整備」と書かれた登山口の標識が立っていた。そこからは細い流れに沿ってうっそうとした杉林が続く。薄暗い山道は不安に駆られそうだが、ところどころに標識があるので迷うことはなかった。緩やかに登ってゆくに従い、少しずつ勾配が増し、やがて明瞭な尾根に出た。尾根道は右手のピークへと急坂が続いているようであった。山頂までは何カ所にもロープが設置されていて、この急坂では足がもつれるほどであった。

やがて山頂に着くと視界が急に開ける。吾妻連峰は厚い雲の中だったが、北東の方角には米沢の市街地がみえた。三角点の少し先がわずかに高くなっていて、ここならば標高が1200mはあるだろうかと思った。登りはじめは薄曇りに覆われていて、徐々に晴れるだろうと思われた天候は、山頂に着いても容易に回復する様子はなかった。行動食を少し腹に入れて山頂を後にする。一時は日射しものぞいたりしたが、すぐにまた雲が広がってしまうという、今日は秋空らしく、変わりやすい天候であった。山頂からは濡れた落ち葉に足を取られないように、ロープをつかみながら下りて行く。尾根を離れて沢沿いの急坂を下っていると、めずらしくカモシカに出会った。カモシカは向かい側の山の中腹に立っていて、別に逃げ出す風でもなく、しばらくの間、こちらをジッと眺めていた。ここまでは誰とも出会わなかったが、まもなくするとこれから兜山までゆくという、5人ほどの登山者とすれ違った。駐車場に戻ると、空が急に暗くなって、まもなく雨が降り出してきた。晩秋の山にきて雨にあたられるほど寂しいものはなく、この後に予定していた戸塚山や一念峯はあきらめることにした。


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