山 行 記 録

【平成16年11月13日(土)/阿武隈山地 大滝根山】



山頂直下の岩場を登る


【メンバー】2名(妻)
【山行形態】冬山装備、日帰り
【山域】阿武隈山地
【山名と標高】大滝根山(おおたきねやま)1.193
【天候】晴れ
【行程と参考コースタイム】
長井7:20=(R287,R13,R4,R114,R349・福島、飯野、船引、滝根町経由)=大滝根山登山口10:50
大滝根山登山口11:10〜五合目ブナ平11:45〜大滝根山12:30-13:10〜登山口14:10

【概要】
大滝根山は阿武隈山地の最高峰として知られており、山の麓は「あぶくま洞」や「入水鍾乳洞」のある観光地となっている。以前にも大滝根山に登ろうとして登山口までは足を運んでいたが、天候が悪くて延ばし延ばしになっていたものである。今日の東北地方は冬型の気圧配置のために、日本海側の高い山では降雪が予想されていた。こんな天候には阿武隈山地が一番と、カミさんと久しぶりに福島県に向かった。

仙台平のよく整備された駐車場から舗装路を少し南に下ると大滝根山の登山口がある。ここにも4、5台分の駐車スペースがあり、今日はすでに2台の車が駐車中であった。登り始めこそ薄暗い杉林の山道だったが、まもなくカラマツ林にでると周りが一気に明るくなる。この時期はほとんど落葉しているので、頭上から燦々と降り注ぐ陽射しがうれしい。落ち葉がびっしりと山道を覆っていて道形がわからないほどだが、ここは昔からよく歩かれているらしく、間もなく尾根に上がるとはっきりとした登山道となった。登り切った高みから道はダラダラと下りはじめ、やがて五合目のブナ平に着く。新しい標柱が立つこの五合目からは、レーダードームを山頂部に抱いた大滝根山が林間から望めた。

ブナやナラなどの多い二次林の雑木林からは最後の急登が始まる。尾根道はやがてヤセ尾根となって見晴らしが急によくなってくる。同時に風が強まり、膚を差すような冷たさに、あわててフリースの帽子をかぶった。もちろん手袋も冬用の厚手の手袋である。快晴なのに氷点下を思わせるこの膚寒さは完全に冬型の天候であった。奥羽山脈の方角には厚い雲が居座っており、高い山はきっと雪が降り積もっているだろうと思われた。まもなくすると大きな石が頭上からのしかかるようにして登山道を塞いでいた。ここには鎖やロープもあるハシゴ場となっていて、このコースのちょっとした核心部といえそうである。慎重に登ってゆくと再び鎖場があって、ここでは早くも山頂から下ってくる人達と行き交った。岩場を越えると斜度もゆるやかになり、入新田と仙台平の分岐点に着いた。

分岐点から細道をたどってゆくとフェンスがあり、まもなく峯霊神社の祭られた大滝根山の山頂に到着した。石造りの鳥居の前には「大嶽根山峯霊神社」の謂われが書かれた案内板が立っている。しかし、フェンスに囲まれた自衛隊の施設が邪魔をして、山頂からの眺望を楽しむことはできなかった。また三角点も自衛隊の基地内にあるので、確認できないのがちょっと腹立たしいところだ。他の登山者はすでに下ったらしく、神社の周辺に人の姿はなかった。近くには休憩するような広場もあったのだが、風はあいかわらず強く、私達は少し下った先ほどの分岐点で休憩をとることにした。

分岐点にビニールシートを広げ、さっそくお湯を沸かすことにした。そして熱いコーヒーやレモンティーを飲むと冷えた体が内部から温まり、思わず眠くなってしまいそうになった。上空は相変わらず木枯らしのような強風が流れていたが、分岐付近は不思議に風もなく、穏やかな陽光が降り注ぐ絶好の休憩場所であった。遠方には阿武隈山地の山並みが広がり、山裾にはしがみつくようにして張り付いている集落がいくつも見えた。


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