山 行 記 録

【平成16年8月21日(土)/北秩父 日向大谷〜両神山



両神山の山頂で
背後の山並みは南アルプス


【メンバー】単独
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】北秩父
【山名と標高】両神山(りょうかみさん)1,723m
【天候】晴れ
【温泉】埼玉県秩父郡両神村 道の駅「両神温泉薬師の湯」600円
【行程と参考コースタイム】
日向大谷5:10(650)〜七滝沢5:40〜弘法ノ井戸6:45〜清滝小屋6:55〜両神神社本社7:35〜両神山8:00-8:30〜清滝小屋9:10〜日向大谷10:45
「両神温泉薬師の湯」=R140・花園・熊谷=東北道・羽生IC=福島飯坂IC=R13=米沢=長井

【概要】
両神山は奥秩父と西上州の境界に位置しており、ギザギザの頂稜を抱く、特異な山容の岩山として知られている山である。イザナギ、イザナミの二つの神を祭っていることから両神山とつけられたという言い伝えや、日本武尊がこの山を見ながら8日間歩いたということから八日見山と名付けられたという伝説などを含めて、山名については多くの説があるようであった。

「両神温泉薬師の湯」は午前4時に出発した。まだ夜明け前なので真っ暗だったが走っているうちに夜が白々と明けてくる。道の駅からは10数キロの距離があり、登山口の日向大谷に着く頃にはすっかり明るくなっていた。駐車場にはすでに5台ほどあったが車に寝ている人もまだいるようであった。この先の駐車場は両神山荘の宿泊者のためのものらしく500円の有料となっていた。車道をしばらく歩いて両神山荘に向かうと、途中に新しいトイレがあり、山荘前を通過すると登山口の標識や登山計画書を投函するポストがあった。両神神社里宮から山畑を横切って山道へと進み、すぐに鳥居をくぐってゆく。道の傍らには石碑が次々と現れ、古くからの信仰の山を感じさせた。しばらく小さなアップダウンが続き、やがて七滝沢コースを右に見てさらに進むとベンチが設置された休憩場所に出る。ここからは沢を横断して対岸の尾根に取り付いた。急坂をジグザグに登っている途中から朝日が差し始め、ふと気付くと背中は汗でびっしょりと濡れていた。樹林帯に注ぐ日差しは眩しく、今日も暑くなりそうだった。

いくつかの沢を渡り返し、斜面を高卷きながら登ると、やがてりっぱな石神が立つ八海山の標柱に着く。いつのまにか風がなくなり、汗が止めどもなく流れていた。さすがに百名山巡りも三日目ともなると疲れが出てくるところで、このあたりでは喘ぎながらの一歩一歩であった。急坂をジグザグに登るとようやく弘法ノ井戸に着く。ここの冷たい水はこれまでの疲れた体を少し癒してくれた。水場からはひと登りで清滝小屋に着いた。小屋前には大きな番犬がいるので少し緊張しながら通過した。小屋の中で作業中の管理人に一声かけ、小屋の裏手から登って行くとまもなく右手から七滝沢コースが合流する。さらに鈴ガ坂という標柱からは明瞭な尾根道となり、やがてロープと鎖場の岩場を慎重に通過。横岩を過ぎると前方に赤い鳥居が現れてようやく両神神社本社に着いた。しかし両神山の山頂はここからさらに800mも先であった。途中で朝早く登った登山者が早くも下ってくる。この人からは山頂はすぐそこだからと言って励まされた。山頂直下では清滝小屋に泊まったという3人の先客が、最後のひと登りを前にして休んでいるところだった。

両神山の山頂には約3時間かかって到着した。標高はそれほどでもないのに結構な登り甲斐のある山であった。展望盤があるのでそれぞれの山並みをひとつひとつ確認してみる。雲取山や八ヶ岳、南アルプスなどははっきりしていたものの、北アルプスは雲に隠れていて見えなかった。しかし雲が少し多いとはいえ、両神山は見晴らしのよい展望の山だった。やがて気温が上がってきたためか、ガスが次々と下から沸き上がってきて山並みは次々と隠れてゆく。しかし天候は晴れているので、暑くもなく寒くもない山日和の山頂といえそうであった。今日は早めに自宅に戻る必要があったため、そうのんびりとしているわけにもゆかず、30分ほどの展望と休憩を楽しんでから下山にとりかかる。下りの登山道ではところどころに咲き残っている高山植物の写真を撮りながら下った。登山口が近づくに連れて登山者がぞくぞくと山道を登ってくる。ザックも持たずにハイキングのような感覚で登ってくる人達もいてちょっと心配になったが、週末の百名山はさすがに多くのハイカー達で混み合うようであった。往路で降り注いでいた日差しはなくなり、いつのまにか一面に薄曇が広がっていた。涼しい風は早くも秋の訪れを感じさせた。下山後は「両神温泉薬師の湯」で汗を流し、薬師ソバの大盛りを食べてから帰路に着いた。


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