山 行 記 録

【平成16年8月20日(金)/毛木平〜甲武信岳



甲武信岳の山頂から富士山を望む


【メンバー】単独
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】奥秩父
【山名と標高】甲武信岳(こぶしがたけ)2,475m
【天候】晴れ
【温泉】埼玉県秩父郡両神村 道の駅「両神温泉薬師の湯」600円
【行程と参考コースタイム】
毛木平5:45(1460)〜千曲川信濃川水源地標8:15〜主脈縦走路8:35〜甲武信岳8:50-9:20〜千曲川水源地標〜毛木平12:00
毛木平=梓山=R141・R299経由=十石峠=両神村=道の駅「両神温泉薬師の湯」(車中泊)
  
【概要】
甲武信岳は、その名のとおり、甲州、武州、信州の三国の国境に位置しており、金峰山とともに奥秩父連峰を代表する山となっている。深田久弥の日本百名山には「甲武信は奥秩父のヘソと言いたい山である」と書いてあり、ここも昨日の瑞墻山や金峰山と同様に、奥秩父の深い樹林美が楽しめる山である。

梓山の集落から毛木平への道へと進むと高原野菜畑に伸びる道路となる。樹林帯をすぎるとやがて立派なトイレや東屋がある広い駐車場に着いた。車は1台あるだけだったが、準備を終えて林道を歩き出すとその先の駐車スペースにも2台停まっていた。この日は台風の影響からか朝から風がすごく強く、周りの木々は風に煽られて大きく揺れていた。しばらく千曲川の源流をたどる遊歩道になっていたが、この山道はいつ途切れるともなく延々と続いた。遊歩道は林道から山道へといつのまにか変わり、次第に高度が上がって行く。何回か千曲川を渡り返すとやがて立派な標柱の立つ千曲川信濃川水源地標に着いた。ここが一応、遊歩道の終点らしかったが、標高はすでに2200mほどもあり、駐車場からは800mも登ってきたことになる。源流地標からは急坂をジグザグに登って行くと、まもなく主脈縦走路に飛び出した。右手は国司ガ岳を経由して昨日の金峰山や瑞墻山へと縦走路が続いており、甲武信岳へは左の樹林帯へと進む。その樹林もまもなく切れてガレ場となると視界は一気に広がった。右手には秩父連山の奥に秀麗な富士山が聳えていた。甲武信岳の山頂へは分岐から約15分ほどで到着した。結局、一人の登山者とも出会わずにここまできたが、山頂にも人の気配はなかった。山頂からは見渡す限り、360度の展望が広がっていた。大きな山容の国司ガ岳からは朝日岳、金峰山へと山並みが連なり、右手には三宝山から十文字峠へと縦走路が続く。見上げれば台風一過のような済んだ青空が広がり、のんびりと昼寝でもしたくなるような山頂だったが、山頂を渡る風は涼しく、汗をかいた体には寒いほどで、長居をする気分にはなれなかった。それでもウインドブレーカーを羽織り、山頂からの展望をしばらく楽しんだ。

下りでは千曲川の水源地標で休憩中の6人ほどの団体と出会い、その後も遊歩道を次々と登ってくる登山者と行き交った。毛木平が間もなくとなると林間からは蝉時雨が聞こえ始め、林道には強い日差しが降り注いでいた。しかし青く済んだ空は高く、いつのまにか秋の気配が漂っていた。汗でびしょぬれとなったTシャツやタオルを駐車場の水道で洗い、体を水拭きしてから次の目的地である両神山に向かった。
昨日の疲れもまだ残っていたのか、今日の甲武信岳を登り終えて足は再び棒のようになっていたが、今晩の車中泊は両神村の道の駅「両神温泉薬師の湯」と決めており、汗を流すのもそこまで我慢することにして、しばらく山岳道路のドライブを楽しむことにした。
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