山 行 記 録

【平成16年7月24日(土)/伊吹山スキー場〜伊吹山



伊吹山をめざして三合目付近を歩く


【メンバー】3名(伊藤(孝)、川口、蒲生)
【山行形態】夏山装備、テント泊、(山行は日帰り)
【山域】伊吹山地
【山名と標高】伊吹山(いぶきやま)1,377.4m
【天候】晴れ
【温泉】ジョイいぶき「伊吹薬草の湯」300円
【行程と参考コースタイム】
伊吹山スキー場駐車場=(ゴンドラ)=三合目発14:00〜五合目14:22〜伊吹山山頂15:30-15:55〜五合目16:40〜三合目17:00(ゴンドラ)駐車場17:20
  
(翌25日)道の駅「近江母の郷」6:00=(北陸道,長浜IC=金沢東IC=能登道路=なぎさドライブウェイ=小杉IC=新潟西IC=R7,113経由)=長井着17:00

【概要】
滋賀県の最高峰である伊吹山は日本のほぼ中央に位置し、岐阜県と滋賀県の県境に堂々たる山容を誇っている名山である。冬の季節風の影響を受けやすく、その吹き下ろす風から、息吹く山、伊吹山となったのではないかと言われている。また植物の宝庫としても知られており、昨日の白山と同様に伊吹山の山名を冠した植物が多い山でもある。

予定では伊吹山スキー場から歩く予定だったが、猛暑のような日差しと、午前中登った荒島岳の疲れもあって、3人とも気が弱くなってしまい、今回は安直にゴンドラを利用して三合目から登ることにした。ゴンドラ乗り場から伊吹山高原ホテルの建つ三合目までは、乗っている時間こそ短かったが、密室のようなゴンドラ内は暑くて、登る前から怒濤のような汗がしたたり流れた。ホテルの周辺ではMTBのレースの最中で、登山者や観光客、レースの観戦者などもいてかなりの賑わいを見せていた。近くのキャンプ場では色とりどりのテントが設営中で、ここは大きなレジャー基地となっているようであった。

三合目の出発は一日で一番暑い時間帯といわれる午後2時になっていた。広々とした登山道は遮るものがほとんどなく、歩き始めるとたちまち汗が噴き出してくる。荒島岳の疲れだろうか、足取りが異様に重く、自然と私は遅れがちになっていた。登っていると次々と下ってくる登山者とすれ違った。四合目までは緩やかな遊歩道といった感じだったが、五合目を過ぎると徐々に勾配が増し、やがてジグザグに登ってゆく。はじめは汗を拭いながらも黙々と先を行く二人の後についていたが、遮るものがない炎天下の登りはつらく、しまいには目眩までするようになってしまった。どう考えてみても私は軽い熱中症になりかけていたようである。途中で何回も水分を補給しながら登り続けたが、一番のごちそうは時々吹き渡る涼しい風の方であった。八合目からは少し岩場も目立つ急登となった。この頃から少し日が陰り始め、見上げると雨雲が覆い始めており、そのうち雷鳴までが轟きだした。暑さに参っていた私は、すぐにでも雨が降って欲しいほどであったが、この幾分柔らかくなった日射しのおかげで少し元気が戻ってくる。やがて九合目を過ぎると勾配も緩やかになり、辺りは一面のお花畑となっていた。

ようやくたどり着いた伊吹山の山頂には、山小屋や売店、測候所、そして伊吹神社などがあり、多くの観光客や登山者でごったがえしていた。一時、空全体を覆っていた雨雲だったが、特に落雷もなく、雨が降り出してくることもなく過ぎ去ったようであった。広々とした伊吹山の山頂はどこが一番高いのかよくわからなかったが、ともあれ小高いところに腰を下ろしてビールで乾杯をした。暑さがつらかっただけに冷えきったビールの一口はめまいがするほど美味であった。そして予定していた三つの百名山を登り終えた達成感にしばし浸った。

30分ほどの休憩後、下山を始めたが、午後4時を過ぎると日射しはだいぶ和らいでいた。気温がいくらか下がったことで、私はいつのまにか元の体調を取り戻していた。こんな時間を見計らってきたのか、登山者はまだまだ登ってくるようであった。そういえばゴンドラは午前0時まで運行していると切符売り場の係員が言っていたが、夏場には夜間でも伊吹山に登る人がかなりいるのかもしれなかった。今日は二つの山を登り終えて、体中汗だらけであった。頭の中は温泉に一刻も早く飛び込むことしかなかった。駐車場を出ると真っ先に伊吹山の麓にある「伊吹薬草の湯」に向かった。「伊吹薬草の湯」は入浴料が300円と安く、施設もきれいで申し分のないところだった。入浴後、冷房の良くきいた休憩室に大の字になると、私はしばらく動くことができなかった。


inserted by FC2 system