山 行 記 録

【平成16年7月10日(土)/薬莱レストハウス〜薬莱山】



薬莱レストハウスより薬莱山を望む


【メンバー】単独
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】船形連峰周辺
【山名と標高】薬莱山(やくらいざん)553m
【天候】晴れ
【温泉】やくらい「薬師ノ湯」800円
【行程と参考コースタイム】
宮城県大和町=(R457、R347)=宮城県小野田町
薬莱レストハウス前登山口10:40〜薬莱山11:25-40〜薬莱レストハウス前登山口12:10

【概要】
薬莱山は船形山の北東に位置している山で、均整がとれた山容から地元では加美富士とも呼ばれており、船形山の長い裾野の終端付近に聳える独立峰である。登山口には二つの赤い鳥居が建ち、古くから信仰の山として人々に崇められてきた。山麓には「やくらいファーム」や「薬莱スキー場」、「薬師ノ湯」などがあって、今日も多くの観光客や家族連れなどで賑わっていた。

車は薬莱レストハウス近くの道路の路肩に停めた。ここは街路樹の木陰となっているので、暑いさなかの準備も苦にならなかった。一つ目の鳥居をくぐって、放牧場を利用したという薬莱スキー場の端をたどると、まもなく二つ目の鳥居をくぐる。さらにゆるやかに登って行くと「薬莱登山道入口」と書かれた標識があり、ようやく本格的な山道となるようであった。そしてここからは急な階段の登りが始まる。706段あるという標識は50段おきに表示されていて、はじめはうるさすぎると感じたのだが、この50段ごとの登りが結構つらいものであった。汗を振りまきながらほとんど休みなしに登り続けたが、ついに500段目で足が上がらなくなり、一息をつくことにした。木立の中まで日差しは届かなかったが、風がない分だけ暑くて水筒の水が一気に減ってゆく。やがて稜線に出ると平坦な道となってまもなく山頂に着いた。傍らには薬師堂が建っていたが、よくよく見ればここはまだ南峰であって、本当の山頂は北峰のほうだというのでがっかりした。たいした距離ではないものの疲れが溜まった体にはこれが結構こたえた。途中、手ぬぐいのような頬かぶりをした石像が立っていて、一瞬、人が隠れているのではと思ってギョッとした。面相も恐ろしい石像だったがガイドブックによると「姥神の石像」という石像で、願い事はなんでも叶えてくれるというありがたい神様であった。すぐ先には望遠鏡、展望盤までが設置されていた。ちょうど東側が開けているところで、眼下には薬莱レストハウスなどがみえた。まもなく到着した北峰には、南峰と同じ様な薬師堂が建っていた。今日三つ目の山を無事に登れたことに感謝しながら鐘を鳴らして手を合わせた。今日のような暑い最中に登る人は稀なのか、ここも誰もいない静かな山頂であった。薬師堂の前に腰を下ろして小休止とする。低い山ばかりだったが、さすがに三つ目ともなると疲れが出てくるところだ。残っていた果物の缶詰や漬け物などを食べながら一息をつく。今日のような暑い時にはやはり水物や漬け物が一番であった。

山頂からは北へ直進すれば簡単に薬莱山を周回できそうだったが、長い舗装道路を歩くのはいやなので、このまま往路を引き返すことにした。スキー場の道に戻り、広い牧場から振り返ると真っ青な空と白い雲を背景にして端正な薬莱山があった。たおやかな薬莱山と緑一色の広大な裾野が広がる、この牧歌的な風景を見ているだけでも心が癒されそうであった。下山後は、やくらい「薬師ノ湯」で今日一日の疲れをとることにした。

崩れるはずがないと思われた好天は、温泉に浸っている間に急変していた。上空が急に薄暗くなったと思うまもなく、轟くような雷鳴と共に大粒の雨が降り出していた。今日はこのまま別の山に向かう予定だったが、豪雨のような雨はその後も止むことがなく降り続き、しばらくの間「薬師ノ湯」から外に出ることができなかった。


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