山 行 記 録

【平成16年4月30日(金)/八甲田山 酸ヶ湯温泉から大岳環状コース】



仙人岱ヒュッテ前から仰ぐ八甲田大岳


【メンバー】2名(妻)
【山行形態】テレマークスキーによる山行、酸ヶ湯温泉駐車場に幕営(山行は日帰り)
【山域】北八甲田連峰
【山名と標高】大岳 1585m
【天候】晴れ
【温泉】八甲田温泉「遊仙」500円
【行程と参考コースタイム】
 酸ヶ湯温泉駐車場8:00〜仙人岱ヒュッテ10:15-10:40〜大岳避難小屋11:45-12:45〜酸ヶ湯温泉駐車場14:10(テント泊)
  
【概要】
GWも二日目となると駐車場には車が少し増えていたが、それでもいつもの大混雑というほどではなかった。今日は駐車場からの歩き出しとなる、大岳環状コースを楽しむことにした。大岳環状コースはロープウェイを使わないので山ヤにはお勧めのコースでもある。少し薄雲が空の一部にあるものの今日も天候の心配はなさそうであった。清々しい風の吹く中を酸ヶ湯温泉の裏手からシールで歩き始める。勾配が緩やかなので登るという雰囲気でもなく、のんびりとダケカンバ林の中を歩いて行く。細目のダケカンバやブナの林立する樹林帯を抜けると地獄沢に降りて行き、そこからは沢の上部をめざした。どのコースもそうなのだが、番号の振られた標識がいたるところに見えているので迷う心配もないのがうれしい。ときどき後ろを振り返って見る、残雪を抱いた南八甲田連峰の山々が美しい。今日のコースはこの南八甲田連峰もいいかなと思っていたくらいで、なだらかな稜線を眺めていると見飽きることがなかった。地獄沢を登っているとときどき硫黄臭が漂ってくる。今日は風も強いのでとくに有毒ガスを心配する必要はなさそうだったが、風のない時は不安になるところだ。快適なシール登高がずっと続いたが、まもなく仙人岱ヒュッテも近いという地点で雪が途切れてしまい、そこからはスキーを担がなければならなかった。

登り着いたところからは仙人岱ヒュッテが目前である。すぐ近くには八甲田大岳が大きく聳えており、何人かの登山者が山頂をめざして登っているのが見えた。カミさんは仙人岱ヒュッテが初めてなのでちょっと立ち寄ってみることにした。ちょうど硫黄岳を経由してきたらしいスノーシューの女性2名と共に小屋にはいって一休みとする。木造のいかにも山小屋らしい感じのする小屋で、ストーブもあって快適そうなのだがまだ宿泊したことはない。いつか厳冬期にでも泊まりたくなるような佇まいの山小屋であった。小屋を出ると大岳の中腹まで登り、そこからは大岳避難小屋をめざしてトラバースしてゆく。大岳の山頂まではいくらもかからないのだが、今日はカミさんの体調がいまひとつのため無理はしないことにした。大岳避難小屋までくると大勢の登山者や山スキーの人達で溢れていた。大岳避難小屋はまだ真新しいログハウス造りの山小屋で、中にはトイレも完備された素敵な山小屋である。ここはちょうど八甲田山の交通の要所のような場所になっているところで、今日はツアーガイドを伴った団体も多く、それぞれ一休みしてから大岳や井戸岳、あるいは箒場岱コースをめざして散って行った。私達も小屋に入り大休止をとることにした。

1時間ほどの昼食休憩を終えて大岳避難小屋を出ると、大岳の西側斜面を卷くようにトラバースしてゆく。さすがにこの時期になると雪も大方融け出してしまい、樹林は一見ヤブっぽくなっていたが、なんとか抜けだすと広々とした斜面にでた。この大岳環状コースではここから酸ヶ湯温泉までがハイライトだろうか。疎らな立木と適度な斜面は八甲田山スキーの面目躍如といったところか。いつのまにかカミさんの体調も戻っており、気持ちよさそうに斜面を下って行く。行く先々には長い竹竿によりコース表示されているので迷う心配はない。そんな竹竿を拾いながら下って行くと酸ヶ湯温泉はまもなくである。平坦部が終わり急斜面の肩に立つとマイカーや大型バスで溢れた酸ヶ湯温泉駐車場が眼下に見えた。カミさんは迂回コースを下ってゆき、私は酸ヶ湯温泉をめざして急斜面を一気に滑降して行く。勾配はきついが春のザラメ雪では下手なテレマークでもターンは可能だ。今日はときどき薄雲が覆ったりして天候が悪化するかとも思われたのだが、いつのまにか快晴の空が広がっていて、まるで初夏を思わせるような陽射しが酸ヶ湯温泉に降り注いでいた。


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