山 行 記 録

【平成16年4月12日(月)/月山 石跳川コースを下る



湯殿山をバックに石跳川を下る


【メンバー】2名(妻)
【山行形態】テレマークスキーによる山行、冬山装備、日帰り
【山域】出羽三山
【山名と標高】月山 1980m
【天候】晴れ、(山頂は強風)
【行程と参考コースタイム】
姥沢駐車場発8:40〜リフト下駅9:00(リフト)リフト上駅発9:30〜鍛冶小屋跡11:50-12:00〜月山山頂12:30〜金姥13:30〜石跳川(途中休憩)〜ネイチャーセンター(志津)14:40
  
【概要】
このところ不思議と好天が続いている。平日にもかかわらず駐車場には意外とスキー客が多く、それも県外ナンバーがずいぶんと目立った。今日は万一のことを考えてお互いにビーコンを装着する。リフト乗り場で登山届けを提出して出発するとリフトは折からの強い横風に煽られて大きく揺れた。リフトを利用して月山に登るのは今回が今年初めてだ。リフト上駅からはシールを貼って早速登り始める。たった2日間の間に雪がだいぶ融けており、一昨日の風景とはずいぶん違うのに驚く。月山の山頂付近から東南の尾根には雪がすでにほとんどなくなっており黒々としている。今日の風ではまた雪解けが一気に進むのだろうと思うと悲しかった。

私達の他にはポツリポツリと登ってくる程度でさすがに今日の登山者は少なかった。金姥で小休止した後、いつものコースをたどって牛首へ向かった。気温は今日も高くなるだろうと思っていたら、稜線では予想外に冷たい風が吹いていてがっかりする。順調なシール登高だったが、さすがに山頂直下の急斜面ではカミさんもペースが落ちてくる。カミさんは山スキーなので途中からアイゼンを装着した。雪は柔らかいがこのアイゼンの効果は大きく、私の後を遅れずに直登してくる。さすがに勾配がきつくなったところからは稲妻型に切り替えて登った。

鍛冶小屋跡付近からは風が急に強まり、あわてて窪みに逃げ込んだ。ここからはスキーを置いて山頂を往復する事にする。風は弱まるどころかいつのまにか台風並みの猛烈なものになっている。月山神社までは距離はわずかなのに、体ごと持って行かれそうな風に一歩進むのがやっとの状態であった。一緒に登っている人もなかなか山頂へ近づけないでいる。這々の体で山頂小屋の陰に逃げ込み、どうにか山頂についたのは鍛冶小屋を出てから30分も経ってからのことであった。鳥海山は残念ながら雲の中だったが、今日も2000メートルの山頂からの展望は素晴らしい。しかし、のんびりと休憩するどころではなくて証拠写真をだけを撮って下山する。

鍛冶小屋からはシールを外して滑降して行く。カミさんは急斜面を横滑りで凌いでいたが、牛首付近からはターンも可能になった。しかし雄大な斜面にもかかわらず、雪質は最悪であった。ワックスをかけても気休め程度の効果しかなくがっかりだったが、カミさんのスキーは意外とよく走るところをみると私のスキーが悪いのかもしれなかった。あまり下りすぎると登り返しがたいへんなので、途中からトラバースして金姥へと回り込む。金姥からはトレースがあるもののみんな石跳川を下ってしまった後らしく、どこにも人影は見あたらなかった。姥ケ岳の北面を回り込むと正面に湯殿山が現れる。このころになると風はだいぶ収まっていた。気持ちの良い陽射しが降り注ぐようになり体がようやく温まりはじめていた。

まもなく石跳沢の源頭の広い斜面に出た。ここで延ばし延ばしにしていた昼食兼休憩をとることにした。湯殿山はまだまだ豊富な積雪をいだいて、東斜面は巨大な雪壁のように立ちはだかっている。休憩を終えると広々とした石跳川沿いの斜面をゆったりと下ってゆく。新雪が融けだしたところはブレーキがかかって閉口したが、少し汚れたようなザラメ雪ではスキーがよく走った。まもなくブナ林の中を滑るようになると、前方にネイチャーセンターが近づいてくる。ブナの芽吹きにはまだ早かったが、石跳沢も下流までくると雪解け水が音をたてて流れており、この月山界隈にも春がすぐ目の前まで近づいているのを感じさせた。



月山山頂直下
後ろは品倉尾根


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