山 行 記 録

【平成15年11月17日(月)/蔵王連峰 青麻山



無線中継所から仰ぐ青麻山


【メンバー】単独
【山行形態】冬山装備、日帰り
【山域】蔵王連峰
【山名と標高】青麻山(あおそやま)799m、あけら山(あけらやま)810m
【天候】晴れ
【行程と参考コースタイム】
無線中継所10:20〜青麻山11:10〜あけら山11:30〜青麻山11:50〜(途中昼食)〜無線中継所12:50  

【概要】
蔵王連峰の東方に位置する青麻山は、西方に並ぶあけら山とともに双耳峰をなしている秀麗なピークである。”主峰”である青麻山よりも、その先のあけら山のほうが10m高いというのも面白い。青麻山の山容は堂々としていて蔵王連峰と見まがうほどで、昔から信仰の対象とされ、蔵王の刈田岳の名称がおこる以前は、大刈田山とも呼ばれていたという。

冬型が強まり山形では荒れ模様の朝であった。二井宿峠を抜けると澄んだ青空が広がり、同じ冬型とはいえ、この天候の違いには今更ながらあきれるほどである。白石市から国道4号線を北上し、蔵王町の宮中学校から細い農道を進む。曲がり角には「青麻山遊歩道」の標識があるものの、林道が入り乱れているので登山口までは少々わかりずらい。林道の終点付近まで進んだ小高いところに立つ無線中継所が登山口であった。

駐車スペースは1〜2台程度と狭いので、少し下った路肩に車を停めた。風はさすがに冷たかったが、上空は快晴である。正面には青麻山がそびえ立ち、左手にも小高い山がいくつか見えた。無線中継所からはいったん鞍部まで下って、雑木林の中を登り返して行く。左手は雑木林が伐採されてスキー場のように見晴らしがよく、気持ちの良い里山という雰囲気が漂っている。登りはじめてみると、それほど急坂というわけではないが、意外ときつい登りにため息がもれてくる。先日の朝日連峰の疲れがまだ両足に残っているのかも知れなかった。

青麻山の山腹を左から回り込むようにしながら雑木林の中を登って行くと急に視界が開けてくる。ここは大きな岩が3つ突き出ている南蔵王の展望台で、青麻山の山頂はそこからひと登りであった。青麻山は東側からの展望が開けていて、白石市の街並みや仙台湾まで見渡せるところだ。石の祠と狛犬があるだけの広々とした山頂は、なんとなく公園の高台という感じがしないでもない。地元の小学校と思われる登山記念の標柱や看板が、いくつか祠のまわりに建ててあった。昼食にはまだ早いので、西方に聳えるあけら山まで往復してくることにした。

青麻山を下ると笹ヤブが道を少し覆い隠していたが不明になるほどではなかった。ただ鞍部までは110mほどと意外と下らなければならなず、その登り返しも少しつらく感じるところだ。登山口から青麻山までの高度差は400mなので、いわばハイキングともいえそうだが、あけら山まで足を伸ばそうとすると、この往復のアップダウン220mも加えなければならないので、青麻山だけでは物足りない人にはちょうどよい登りともいえそうであった。鞍部からは10分程度であけら山の山頂に着く。ここには石の祠と標識があるだけで、雑木林が視界を遮っているので展望はなかった。

青麻山に戻ると風が強すぎて休憩をするような雰囲気ではなくなっていた。山頂での昼食はあきらめ、下り始めると4人の中高年のグループが登ってくるところに出会った。今日初めて出会う登山者であった。「山頂はまだですか」と聞くのでこの青麻山は初めての人達のようである。ウイークディでもやはり登山者はいるものだなあと妙に感心してしまった。一段下のピークまで下ってくると風も和らぎ、柔らかい日差しが戻った。ここで広々とした山並みを眺めながらのささやかな昼食タイムとした。一時は冷たい風とともに小雪がちらついたりしたものの、いつのまにか小春日和のような穏やかさに包まれていた。この青麻山は行程が短いので、思い立ったときにいつでも登れそうな山である。今度は雪が降り積もった時にでもまた訪れてみたいと思えるような手軽な里山であった。


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