【平成15年9月5日(金)/赤城山 (黒檜山)】
赤城山の最高峰、黒檜山の山頂
無料の大洞駐車場から南に向かうと左手に駒ヶ岳登山口の道標がある。いきなり急登が始まり一時は引っ込んでいた汗が再び流れ出した。丸太の階段や鉄製の長い階段を登るとやがて気持ちの良い稜線にでた。ここにはベンチがあって見晴らしも良いところだ。大沼周辺では工事中の騒音でうるさかったが、ベンチで一休みしているとそれも聞こえなくなり、山の本来の静けさが戻った。そこからひと登りすると駒ヶ岳に着く。ここはピークらしくもない所で標識がなければ思わず通り過ぎてしまうようなところだった。ピークからは登った分を一気に下る。下ったところが大ダルミで、黒檜山までは220mの登りだ。たいした標高差はないものの疲れた足には結構こたえた。木の階段の間隔と歩幅が微妙にあわないのも疲れをよけいに感じてしまうようだった。花見ケ原キャンプ場への分岐を過ぎると「御黒檜大神」の大きな鳥居を通過する。黒檜山の山頂はまもなくだった。駐車場から黒檜山までの所要時間は1時間10分と、予定していた時間の半分で着いてしまった。のんびりと歩いてこその赤城山、という趣旨のことを深田百名山には書かれていたが、夕暮れも近いので知らず知らずに急ぎ足になっていたのかもしれない。しかし午後も4時というのに山頂には登山者が一人いるのには驚いた。地元の人で黒檜山登山口から直登してきたという人であった。薄い靄がかかって展望はいまひとつだったが、二人で話をしながら夕暮れ近い山頂でのひとときをしばし楽しんだ。
黒檜山山頂を後にするとすぐに樹林帯に入った。大きな石がゴロゴロとして歩きづらく意外と時間がかかる道だった。途中で尾根の一部の樹林が切れて大沼がぽっかりと見下ろせる場所がある。ガイドブックによるとここはコース上で唯一展望のきくという猫岩のようであった。まだまだ日は沈む時間ではなかったが、樹林帯の中ではすでに日が落ちたような薄暗さが漂い始めていた。ようやく車道に降り立つとそこからは20分ほど車道を歩き駐車場に戻るだけである。観光客もほとんどいなくなった駐車場には夕暮れが目前に迫っていた。