山 行 記 録

【平成15年8月10日(日)/南会津 博士山】



一等三角点のある博士山山頂



【メンバー】単独
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】南会津
【山名と標高】博士山(はかせやま)1482m
【天候】晴れ
【温泉】西山温泉郷 山村公園「せいざん荘」310円
【行程と参考コースタイム】
道海泣き尾根登山口9:50〜シャクナゲ洞門10:40〜分岐10:50〜社峰11:20〜博士山11:35着/12:20発〜分岐12:40〜近洞寺跡12:50〜水場13:25〜大谷滝尾根登山口13:30〜道海泣き尾根登山口13:55

【概要】
博士山は南会津の名峰として以前から気になっていた山で、「東北百名山」(山と渓谷社)の新版に新たに加えられた山でもある。今日は台風一過の清々しい青空が朝から広がった。気温は大分高くなりそうなので早立ちを心がけたのだが、
大成沢の集落からは一本間違った南沢沿いの林道に入ってしまい、貴重な朝の時間を1時間近くも無駄にしてしまう。結局登山口を歩き出したのは10時近くなっていた。しかし台風直後ということで敬遠されたのか博士山駐車場には車は1台も見あたらなかった。

草深い道をかきわけて行くと次第に登山道がはっきりしてくる。水場からは怒涛のような急登になった。僧道海も泣いたというこの尾根は胸突き八丁の急坂の連続で初めから汗がほとばしった。途中からはフィックスロープやクサリにつかまったり、木の根っこをつかんだりしながら体を引き上げた。シャクナゲ洞門からは樹林も疎らになり少し見晴らしもきくようになる。台風の名残なのか風が強かったが、汗をかいた体には生き返るような心地良さであった。

台風が過ぎ去ったあとの日差しは強烈で今日は熱射病も心配な一日である。汗を振りまきながら喘いでいると左手からはときどき社峰(やしろみね)のピークがのぞいた。シャクナゲ洞門を過ぎても急坂は少しもゆるやかにならなかったが1時間ほどでようやく尾根上の分岐まで到着した。右手は近洞寺山経由の大谷滝尾根登山口へと続いておりこれは下山のルートである。博士山へは左手に進みひとまず社峰をめざす。ヤセ尾根だが周りには太いケヤキが多く目についた。急坂をひと登りで社峰に到着した。ここは現在会津高田町にある伊佐須美神社があった跡だという由緒あるピークだ。ここから博士山までは15分と書かれた標識があり、疲れていたがもう少しだと踏ん張った。

ようやくたどり着いた博士山の山頂には当然だが誰もいなかった。ここでは他からのコースも合わさる筈なのに明瞭な道は見あたらず、どうもヤブに覆われてしまっているようである。山頂からは北に少し開けているだけで展望はあまりなく、会津若松市の市街地らしい街並みと南会津の山並みが少し見えるだけであった。最近ではめずらしく天候にも恵まれたのでもう少し展望をと期待したのだががっかりだった。お湯を沸かして味噌汁を作り昼食にする。相変わらずのコンビニ弁当だが、途中では行動食をほとんどとらなかったおかげで結構美味しく食べることができた。

のんびりと昼食を終えて下る準備を始めていると、意外にも単独行の登山者がひょっこりと山頂にあらわれた。30代だという地元の人で、山頂には私しかいないと知るとその人も福島の名峰というわりに意外と少ない登山者に拍子抜けしている。私は周回コースを下山することを話すると、そのコースは長そうだから元の尾根を下るつもりだというので、この単独行氏とはお互いに写真を撮りあって別れた。

山頂からは20分ほどで稜線上の分岐に戻った。ここからは尾根を直進し大谷滝尾根に進む。急坂が現れたが道海泣き尾根とは違ってそれほど危険なところがあるわけでもなく比較的歩きやすい道だった。一部、草薮があって道が不明瞭なところもあったりしたのだが、ところどころに標識やペンキ印があるので特に不安になることもなかった。薄暗い水場を過ぎ、さらに沢沿いに下ると草原に飛び出した。見晴らしの良い植林地帯のような所を少し歩くとまもなく林道に出たのだが、別に登山口を示す標識もなく、ここから登ろうとすればかなりわかりづらいだろうと思った。工事中の林道は広い砂利道でジリジリとした日差しが降り注いでいた。ここから道海泣き尾根の登山口までは30分の車道歩きである。ほとんど休憩をとらずに山頂から下りてきただけに喉がカラカラに乾いており、歩き出す前に残っていた水筒の水を一気に飲み干すと体の隅々まで浸透していった。


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