山 行 記 録

【平成15年7月22日(火)/蓼科山】



ようやく天候に恵まれた蓼科山山頂で


【メンバー】3名(伊藤孝、清水、蒲生)
【山行形態】夏山装備、テント泊(山行は日帰り)
【山域】八ヶ岳連峰
【山名と標高】蓼科山 2,530m
【天候】晴れ
【温泉】
長野県小県郡長門町 長門温泉「やすらぎの湯」500円
【行程と参考コースタイム】
蓼科山登山口(女神茶屋)5:45〜蓼科山8:35-9:00〜蓼科山荘9:25〜天祥寺原10:17〜
竜源橋11:20〜登山口11:50

【概要】
蓼科山は八ヶ岳連峰最北端の山。予定していた南アルプスの光岳の代替案として、急遽この蓼科山に登ることになった。今日は昨日までの雨空とは打って変わり、早朝から好天の兆しが漂っている。登山口付近はまだ朝靄に包まれていたものの、山頂付近はまぶしいほど明るく、上空は晴れ間が広がっているようであった。駐車場に設営したテントは朝露に濡れているのでそのままにして登ることにした。下山する頃にはすっかりと乾いているはずである。今日は3人とも行動食や雨具などを入れただけの小さなザックにパッキングする。3日目にしてようやく天候に恵まれた私達は、期待に胸を弾ませながら登り始めた。

登山口は車道を60m下った所にあった。すぐ目の前にはバス停もあるのでマイカーを利用しての縦走も容易に可能と思われるところだ。朝靄に朝日が差し込む清々しい道をのんびりと歩く。緩やかで広々とした登山道がしばらく続いた。爽やかな空気と様々な小鳥がさえずる山道を歩いていると昨日の光岳敗退の鬱屈した気分はすっかり消えていた。

やがて急斜面を登り始め、振り返ると綿雲のような雲海と蓼科高原が見おろせた。左手には八ヶ岳の緩やかな裾野がおおきく伸びている。さらに登ると八ヶ岳の主峰の赤岳や阿弥陀岳の峰峰が木々の間から覗いた。昨日までの鬱憤を晴らすかのように小休止するたびに写真を撮りまくった。2160m付近の小湿地帯のようなところからは最後の急坂が待っている。ここから標高370mの登りはひたすら登るだけである。山頂がちかくなると樹林はなくなり、岩場が目立つようになった。岩につけられたペンキ印をたどりながら登ると蓼科山の山頂はまもなくだった。

蓼科山の山頂は広く平らなところに累々とした岩があるだけである。最高地点には白い標柱と一等三角点が設置されてあった。ここでは当然ながら360度の展望を楽しみにしていたのだが、皮肉にも気温の上昇と共にガスが上がってきてしまい、すぐ目前に聳えているはずの八ヶ岳でさえも見えなくなってしまった。しかし久しぶりに晴れ渡った山頂での休憩はうれしいばかりだ。昨日からまだ乾ききっていない雨具などを岩の上に乾かしながら、ゆったりとした山頂でのひとときを過ごした。

天候もよいので、山頂からは将軍平に下り、天祥寺原を経由する周回コースを歩くことにした。蓼科山頂ヒュッテの前を通り過ぎると岩がゴロゴロした急坂を下るようになる。この途中で蓼科山荘に宿泊をしたと思われる人達が大勢登ってくるところに出会った。樹林帯に囲まれた将軍平にはこじんまりとした蓼科山荘が建ち、小屋前では夢の平林道から登ってきたらしい小学生の団体で喧噪を極めている。山荘からは天祥寺原をめざして下った。この区間は往路とは違ってあまり歩かれていないのか道幅が狭く少し歩きづらい道だ。その分静かな山道ともいえそうなところで展望がない道がしばらく続いた。付近は鬱蒼とした樹林帯でコメツガやシラビソ特有の香りが漂っている。花の盛りは過ぎたのか、周辺にはゴゼンタチバナぐらいしか見あたらなかった。天祥寺原が近づくに連れて気になったのは、いたるところにガラスの瓶などが散乱していることである。単なる不法投棄なのかわからなかったが、蓼科高原という
清麗なイメージがあるだけに残念だった。

まもなく傾斜が緩くなると天祥寺原についた。滝ノ湯川がすぐ近くに流れ、草原のようなこの広々とした天祥寺原はのんびりとハイキングでも楽しめそうなところだ。ふと気が付けばいつのまにか霧が晴れて、頭上には青空が広がっていた。ここには湧き水があるというので楽しみにしていたのだが場所がわからないのでそのまま竜源橋に向かった。ここからは沢沿いの道を緩やかに進み、最後にわずかな急坂を下れば竜源橋の登山口であった。竜源橋から女神茶屋までは約1kmの車道歩きが残っている。登山口には梅雨明けを思わせるような暑い日差しが降り注いでいた。


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