山 行 記 録

【平成15年7月20日(日)/田ノ原〜御嶽山



御嶽山山頂
あいにくのガスで展望のない剣ガ峰



【メンバー】3名(伊藤孝、清水、蒲生)
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】御嶽山
【山名と標高】御嶽山 3,067m
【天候】曇り一時雨
【温泉】
名古屋市民おんたけ休暇村 300円
【行程と参考コースタイム】
自宅1:30(R113,R7)中条IC(北陸道〜上信越道〜長野道)塩尻IC(R19)木曽福島=王滝村9:00
田ノ原駐車場9:20〜九合目11:15〜王滝頂上11:40〜剣ガ峰12:05〜王滝頂上小屋(休憩)〜田ノ原駐車場14:45

【概要】
この連休は木曽節で有名な御嶽山への遠征である。御嶽山は富士山、白山とともに信仰の山と知られ、現在でも夏には白衣を身にまとった大勢の御嶽講の人達で賑わうという。登山コースは長野県側から3本、岐阜県側から1本の計4本あり、そのうち田ノ原から登る王滝口は7合目から登れる最も短いコースで、日帰りが可能なことから私達も今回はこのルートで山頂をめざすことにした。

今年の夏はなかなか梅雨が開ける気配が無く、今日も朝からどんよりとした雲が重く垂れ込めている。そんな空模様でも田ノ原の駐車場に着いてみればさすがにここは日本を代表する霊山の本拠地だ。たくさんの観光客や白装束姿の御嶽教信者達で溢れていた。登山口の大きな鳥居をくぐると幅広い登山道がまっすぐに正面の御嶽山へと続いている。歩いているとまだ朝早い時間なのに大勢の登山者と行き交う。まわりは次第に樹林帯になり勾配が増してきたが、木の階段などでよく整備されているので道は歩きやすかった。八合目まで登るといつのまにか森林限界となり溶岩が固まったと思われる岩だらけの道となっていた。山頂付近はまだ雲の中だったが、頭上には王滝頂上山荘がちらちらとガスに見え隠れしている。九合目の石室小屋を過ぎ、いよいよ頂上もまもなくと思われる地点で、急に空が暗くなり雨が降りだした。それはたちまち大降りとなり、やがて雹も混じる荒れ模様となったためそこからは雨具を着て登った。雨は容易に止む気配もなく、いまにも雪が降り出してくるような膚寒さだった。

王滝頂上山荘には約2時間20分ほどで到着した。辺りはすっぽりとガスに覆われてしまい視界はほとんどなかった。とりあえず剣ガ峰を往復することにして先を急ぐ。八丁ダルミと呼ばれる荒涼とした道を進み、最後の急斜面をひと登りすると御嶽山神社奥宮がある剣ガ峰に着いた。山頂からは雄大な景色が見渡せるはずだったが、雨混じりの強風に濃霧まで加わった最悪の天候ではそれもかなわない。夏山の雰囲気はいささかもなく、冷たい雨とガスが流れる様相はまるで初冬の風景である。晴れていれば魔利支天山を往復したいのだが今日は全くそんな気分にもなれず証拠写真だけとって王滝頂上山荘に戻った。小屋の中ではしばらく行動食を食べながら休憩をとった。伊藤さんは山頂での楽しみにビールをザックに忍ばせてきており、私達も盛んに飲め飲めと勧められたが、こう寒くてはとてもそんな心境にはなれなかった。

休憩を終えて小屋を出てみると視界はなかったものの雨は上がっていた。そのガスも下るにつれて少しずつ晴れだし、湧き上がる雲の合間からはときおり夏山らしい光景がのぞく。眼下には深緑の田ノ原湿原が広がっており、その裾野は尽きそうもないほどにどこまでも伸びている。今回は山頂からの展望はなかったが、私はこの御嶽山の大きさを実感できるような光景を随所に見ることができただけで満足することにした。昼過ぎになっても登山者は絶えることなく登ってきており、相変わらずすれ違いに苦労するほどの混雑ぶりが続いていた。


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