山 行 記 録

【平成15年7月6日(日)/草津白根山】



逢ノ峰から本白根スキー場分岐を俯瞰する



【メンバー】2名(妻)
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】草津白根山
【山名と標高】本白根山 2,165m
【天候】雨のち晴れ
【温泉】長野県山ノ内町 みやま温泉「わくわくの湯」500円
【行程と参考コースタイム】
白根火山11:20〜本白根山12:40-13:00(昼食)〜展望台13:20〜逢ノ峰14:20〜湯釜14:40〜白根火山15:00

【概要】
草津白根山は
白根山、逢ノ峰、本白根山の三山の総称。ここは今も活発な火山活動が続いており、白根山、本白根山とも三角点には立入禁止となっている山である。今日の行程は標高差140mの間を上り下りするだけであり、昨日の美ケ原と同様に今日もハイキングの域を出ない山である。「ここは頂上を踏んで快哉を叫ぶような山ではない」(日本百名山)ということだろうか。とはいっても、湯釜の白根山と本白根山の行程を全て回るとなると4時間近い行程となるのでそれなりの装備や心構えは必要である。

白根火山の駐車場に着いたときには小雨が降り続いていた。こんな天候でも観光バスがひっきりなしにやってきては多くの観光客を吐き出して行く。私達は駐車場で1時間ちかく様子を見てからの出発だった。上下ともカッパを着て歩き始める。目前に聳えるはずの逢ノ峰は降り続ける雨と濃霧のためほとんど見えなかった。弓池を右手に見下ろしつつ逢ノ峰を卷いて行くとまもなく本白根スキー場の分岐点に着く。ここから直進すれば鏡池を経由するコースだが、今日は右手の本白根スキー場のゲレンデを登るコースをとることにした。しかしほとんどの登山者が反対方向から下ってくるのですれ違いに少し時間をとられた。樹林帯を抜け出ると急に道が開け、標識がたつ付近では少し渋滞気味になっている。ここからは深田久弥が「それは古代ローマの円形劇場を思わせる」と称した噴火口を眺めながらの散策が楽しめるところだったのだが、あたり一帯はまだガスに覆われたままであった。噴火口跡を回り込むと砂礫地の斜面にはコマクサの群落が現れる。よくこんな急斜面に咲いているものだとあらためて感心するばかりだが、コマクサは今が盛りらしくしばらく眺望のない寂しさを紛らすことができた。

展望所と本白根山の分岐点までは一気にきてしまったので腰を下ろしてジュースを飲みながら休憩をとる。ここから本白根山の最高地点までは15分程の距離。三角点のある本白根山へはさらに10分ほどだが、有毒ガス発生の恐れがあることから立ち入り禁止になっているので、この探勝歩道最高地点が今回の草津白根山の頂上であった。ここは北アルプスの展望台となっているところだが、濃い霧は相変わらずで肝心の展望はあきらめるしかなかった。ここでは大勢が昼食をとりながら休んでいるところだった。雨はいつのまにかあがっており、私達も早速ラーメンを作ってのんびりと休憩をすることにした

今日の展望はほとんどあきらめ掛けていたのだが、ラーメンを食べていると予想外にも霧が晴れ出した。来るときにはほとんどわからなかった噴火口の跡や登山道までが徐々に見えはじめている。箱庭のような光景を目にしてやっと本来の草津白根山へ登った実感がこみあげてくるようである。沈んでいた気持ちも天候の回復と同時に晴れていった。すぐにまたガスがあがってきそうなので急いで写真だけを撮る。しかし、ガスが晴れたのはごく一角だけらしく、残念ながら北アルプスの山並みを眺めることはできなかった。

山頂からは展望台を経由して鏡池コースにはいったものの、見晴らしが良かったのは展望台までで、ここからはほとんど樹林帯の歩きとなった。鏡池を見下ろす尾根に出てからは再びガスが立ちこめてしまいがっかりした。やがて前方に白根火山ロープウェイが見えてくるとそこは往路の本白根スキー場分岐点だ。ここからはカミさんは往路を戻り、私は逢ノ峰を経由して白根火山の駐車場に戻った。

駐車場には10数台もの大型バスがちょうど到着したところらしく、バスターミナルは驚くほどの観光客でごったがえしていた。一息をつきたいところだが、レストハウス前を横切りそのまま湯釜に向かった。草木が1本もない岩と石だらけの山にコンクリートで固められた道が展望台まで伸びている。湯釜は白濁したエメラルドグリーンの美しい沼で、その幻想的な雰囲気はちょうど吾妻連峰の五色沼をや蔵王のお釜を髣髴とさせた。休んでいると次々と登ってくる観光客で展望台は混雑を始めている。大型バスの団体はレストハウスから列をなして登ってくるところだった。下りの渋滞が心配になった私達は、残っていたジュースを飲んだだけでそそくさと展望台を後にした。


鏡池から本白根スキー場に向かう途上で
樹林帯を抜けてやっと見晴らしの良い場所に出る


inserted by FC2 system