山 行 記 録

【平成15年5月12日(日)/朝日連峰 草岡から長井葉山】



新緑の登山道



【メンバー】8名(新野、伊藤(孝)夫妻、清水、田中、渡辺、東海林、蒲生)
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】朝日連峰
【山名と標高】長井葉山 
1,237m
【天候】曇り
【温泉】長井温泉「桜湯」300円
【行程と参考コースタイム】
長井市草岡 7:30(330m)〜オケサ堀9:00(780m)〜葉山山荘(1237m)11:10-11:50(昼食)〜奥の院12:00-12:20〜葉山山荘1230〜長井市草岡15:00

【概要】
長井葉山は毎年、我々山の会の山開きの山。今年は市民登山と日程が重なったため、少し早めの出発となった。今日は朝方こそ冷えこんだものの歩き始めるとすぐに体も温まり、たちまち汗が噴き出すほどになった。私はうかつにも冬用のタイツをはいていたために途中で脱ぐ羽目になる。昨日まで毎週のように雪渓歩きが続いていたために、夏道は暖かいものだということをすっかり忘れていたのだ。

久しぶりに履く登山靴は軽く、思わず飛び跳ねたいような気分である。まるで重い鎧を脱いだような気分とでもいえばいいのだろうか。私はみんなの後ろを歩きながら、のんびりと路傍のワラビなどを摘みながら登った。登山道周辺にはショウジョウバカマ、カタクリ、イワウチワ、イチリンソウ、イカリソウなど春の草花が盛りだ。またブナの新緑に混ざってタムシバやムラサキヤシオが鮮やかである。芽吹き始めたブナの新緑は、さながらグリーンシャワーという感じで、歩いていると体ごと緑色に染まってしまいそうなほどであった。

オケサ堀を過ぎるとところどころ残雪が現れる。夏道と雪道を交互に繰り返し、やがて標高1020m付近の見晴らしのよい稜線に出るといつものように休憩タイムをとる。ここは樹林帯を抜け出た東斜面で、大量の雪が残っているところだ。左手の勧進代尾根には新緑のブナ林が裾野へと伸びている。ここで白鷹町や長井市の町並みを見下ろしながらしばし眺望を楽しんだ。そこからは通称「壁」と呼んでいる急斜面を登り、気持ちの良い雪原を進んでゆくと葉山山荘はまもなくだった。

葉山山荘ではテーブルを囲み、早速乾杯をして会の山開きを祝う。4時間近くの登りで気持ちの良い汗もかき、冷たいビールの一口がおいしかった。30分ほどすると意外と早く市民登山の団体がやってきて小屋の周りが急ににぎやかになった。聞いてみると今日は70数人もの参加者が集まったというから驚く。そのほとんどが中高年だが、中には子供を連れた家族連れもいてみんな小屋の回りで昼食を楽しんでいる。

食後、私は奥の院に行くことを話すと清水氏と渡辺さんが同行するというので一緒に山荘を出た。奥の院までは一面の雪原だが花崗岩の山頂には雪は全くなかった。地元からきた夫婦が一組いるだけの静かな山頂である。ここからは残念ながら大朝日岳は見えない。しかしぽっかりと宙に浮かんだようなこの奥の院は、祝瓶山が真正面に望める好展望台で、いわば別天地のおもむきがある。春霞のためすっきりと見えないのが残念だったが、西にそびえる祝瓶山から柴倉山や三体山の山々を眺めながら、私は久しぶりの眺望にしばし見入っていた。

のんびりと静かな奥の院のひとときを過ごし、葉山山荘に戻ると他のメンバーがすでにザックを背負って私たちを待っていた。市民登山の団体でにぎわう山荘を後にすると、往路にもまして柔らかくなった雪道をみんなで蹴散らすようにしながら下った。崩れるかもしれないと心配していた天候は杞憂に過ぎなかったようである。高曇りの穏やかな陽光は午後になって少し傾き始めていた。下山後に予定している山開きの本番がよほど待ちきれないのか、ブナの樹林帯を下ってゆくみんなの足取りはいつもよりも軽やかに見えた。



葉山山荘直前



ミネザクラが咲くオケサ堀付近


inserted by FC2 system