山 行 記 録

【平成15年4月28日(月)/祓川〜鳥海山】



祓川に向かう林道から鳥海山を仰ぐ



【メンバー】単独
【山行形態】テレマークスキーによる山行、冬山装備、日帰り
【山域】出羽山地
【山名と標高】
鳥海山(七高山2,230m)
【天候】曇り後晴れ
【行程と参考コースタイム】
祓川駐車場7:50〜七ツ釜避難小屋9:10〜鳥海山(七高山)11:00-11:15〜祓川12:15

【概要】
祓川からの鳥海山は1年ぶりである。いつもは祓川キャンプ場の駐車場に車を留めなければならなかったが、今日は平日ということもあって、少し上にある祓川ヒュッテの駐車場に留めることができた。しかし休日より車が幾分少な目といってもGWの谷間でもあり、県内外からのマイカーで駐車場はすでに満杯に近い。好天が予想されることもあって多くの人達が出発の準備をしているところであった。この時期になると坪足の春山登山者に加え、冬山とは縁のないようなスノーボーダーやゲレンデスキーヤーも繰り出してくるから、GWの鳥海山はかなりの喧噪をきわめるのである。

駐車場からすぐにシールを貼り登高開始する。鳥海山の斜面は広大で、この広い雪原のどこを登っても良いのだから楽しいばかりだ。今回は例年と比べて左側のルートを登る。いくらか遠回りになりそうだが、傾斜が緩やかな分だけ気分的に楽である。登りはじめは風が少しあるものの青空が広がる空模様であった。しかし七ツ釜避難小屋近くから薄雲が広がりはじめると、まもなく鳥海山の頂が見えなくなり、同時に小雨が降り出してきてしまった。小雨はなかなか止むことがなかったものの、我慢しきれずにカッパを着るとほどなく雨が上がってしまい、ホッと安堵の胸をなでおろした。その後青空が広がってしまうと、朝方からぐずついていた天候はようやく落ちつきを取り戻した。しかし山頂から吹きおろす風はかなり冷たいものだった。

順調に高度を上げてきたものの山頂直下の急斜面ではスピードがぐんと落ちる。初めはシールの効き目がよいので山頂まで直登できるかも知れないとトライしてみたものの、やはり最後はジグザグに登らなければならなかった。何回も立ち止まりながら山頂を見上げてはため息をつく。山頂はすぐ目前なのになかなか近づこうとはせず、きつい登りに思わず喘ぎ声が洩れてきそうであった。

3時間ちょっとで七高山の山頂に到着した。いつもより早いのは途中、雨が降ったりしてほとんど休憩を取らなかったせいである。山頂は相変わらず冷たい風が吹いていたが、風を避けるような場所もなくのんびりと過ごす気分にはなれなかった。こんな天候のせいだろうか。新山を見渡しても人影は全く見あたらない。外輪山はガスに半分隠れて見えなかった。そそくさと昼食を終えると早速山頂から滑り出すことにした。山頂直下はかなりの斜度があるのだが、春の柔らかいザラメ雪は難なくターンが可能で、私はスピードに乗りながら一気に中腹まで下った。見下ろすとこれから登ってくる人も多い。時計を見ればまだ正午前であった。私は途中でのコーヒータイムも楽しみにしていたのだが、風は一向に弱まる気配もなく、結局駐車場までは一気に下ってしまった。

駐車場ではコーヒーを淹れながら今日の行程を思い返していた。1100mを一気に登り切るのは確かにつらいのだが、そんな高度差もスキーで滑降すればあっという間だ。途中に登り返しのないこの祓川コースは山スキーにこそふさわしいコースだろうと思う。駐車場に降り注ぐ日差しはけっこう強いものの、鳥海山から吹き下ろす風は相変わらず冷たかった。私は濡れたシールなどが乾いたのを確認すると、さっそく次の登山口である鉾立に向かった。



鳥海山の山頂直下の急斜面を登る


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