山 行 記 録

【平成15年3月24日(月)/南会津 会津駒ヶ岳】



会津駒ヶ岳山頂
遠方は越後三山



【メンバー】単独
【山行形態】テレマークスキーによる山行、冬山装備、日帰り
【山域】南会津
【山名と標高】会津駒ヶ岳2,132m
【天候】晴れ
【温泉】桧枝岐温泉「駒ノ湯」500円
【行程と参考コースタイム】
自宅2.30=桧枝岐村600
滝沢橋6:10〜共同アンテナ7:30〜会津駒ヶ岳山頂10:10-10:30〜共同アンテナ11:20〜滝沢橋12:00

【概要】
久しぶりに会津駒ヶ岳に登ることにした。予定では山頂から大戸沢岳に向かい南東尾根を下るつもりだったのだが、食糧を車に置き忘れるという失態があって今日の縦走は断念した。しかし会津駒ヶ岳の無木立の大斜面を下るだけでも豪快な山スキーを味わえるのには変わりはなく、久しぶりに春のザラメ雪での滑降を楽しんだ一日だった。

春分の日を境にして春のような陽気が連日続いている。この3連休も大勢の人達がこの会津駒ヶ岳に登った様子で、歩き始めてみるとスノーシュー、ワカン、坪足、山スキーの踏跡が散乱していた。今日は朝早いためかまだ誰も登っている人は見あたらない。気温は低く平地でも氷点下4度しかなく、雪面はガリガリのアイスバーンである。前回と同様に沢沿いに登ってゆき、急斜面に取り付く。左の小尾根に登るとまもなく共同アンテナだ。ラッセルの必要もないので今日はいつもよりだいぶペースが早いようであった。

ブナ林の中を順調に高度を稼ぎながら標高1700m付近まで登ると、やがて左手には燧ヶ岳、右手からは会津駒ヶ岳からの南東尾根が見えてくる。足は結構疲れていたが、この大展望ともいえる光景を目にすると登りの苦労も忘れてしまいそうである。食糧を忘れてきたとわかったのはこの付近であった。幸いに朝食用の菓子パンを一個だけは持ってきており、それはまだ半分だけ残っていたが今日一日の食糧とするには少なすぎる量である。がっかりだったが当初計画の南東尾根はあきらめざるを得なかった

雪面は相変わらずアイスバーンが続いたが、時間がたつにつれて徐々に雪は柔らかくなっていた。気温はどんどんと上昇しており下る頃には間違いなくザラメの雪に変わりそうである。ひとしきり汗が流れて、アウタージャケットを脱いだりしたが、風は冷たいのですぐに冷えてきてしまう。アウタージャケットを脱いではまた着たりと、今日のレイヤードには少し苦労した。

10時10分、ようやく会津駒ヶ岳の山頂に到着する。風は弱いので山頂の標識の近くにザックを下ろし、ここまで我慢しながらとっておいた半切れのパンを食べる。山頂からの展望は抜群で、しばし360度の風景を楽しんだ。駒の小屋が眼下に見えている。前回よりも雪は減っている感じだが、それでもまだまだこの会津駒ヶ岳の積雪は多い。

30分ほどの休憩を終えると早速シールをとって滑降を開始した。途中で小屋を経由して裏手のピークに向かう。ここからの滑降がまた気持ち良く、のんびりと優雅に大きな孤を描きながら下った。少し休んだだけなのに雪面は既に融けはじめており、滑りやすいザラメ雪になっている。斜面が急な箇所では尾根を大きく回り込んで迂回しながら下った。雪が柔らかいのでこんな日はどこを下っても楽しいばかりである。連休後とはいえ誰か一人でも登ってくる人はいるだろうと思っていたのだが、予想外に誰にも出会うことはなかった。

スキーだと下りはあっという間だ。たちまち共同アンテナまで下ってきてしまい、あとは急斜面を下ればまもなく林道に合流する。本来ならばこのあたりでコーヒーでも淹れながらのんびりと休憩を楽しみたいのだが、今日はその楽しみさえないのが悲しい。自業自得といえばそれまでだが、こんなことは初めてだった。そこからは木々が混み合って滑りづらい斜面をなだめすかしながら下った。

滝沢橋には12時ちょうどに戻った。太陽はまだまだ高く、気温もさらに上昇しそうな気配である。今日は結局最後まで誰一人とも会わない一日であった。いつもより短時間でツアーを終えて、疲労はあまり感じていなかったのだが、桧枝岐温泉の「駒ノ湯」から出ると、疲れがどって出てしまい、しばらくの間、動けなくなってしまった。


会津駒ヶ岳山頂
燧ヶ岳と至仏山をバックに



駒の小屋と燧ヶ岳


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