山 行 記 録

【平成15年2月10日(月)/吾妻連峰 天元台〜若女平〜白布温泉



若女平を下る途中で
ようやくガスも晴れて日差しが戻った頃
(中里氏撮影)



【メンバー】単独
【山行形態】テレマークスキーによる山行、冬山装備、日帰り
【山域】吾妻連峰
【山名と標高】天狗岩2,004m
【天候】曇り時々晴れ
【温泉】白布温泉「かんぽの湯」510円
【行程と参考コースタイム】
北望台(リフト終点)発10:20〜カモシカ展望台10:40〜梵天岩11:10〜西吾妻小屋11:30-12:00〜若女平12:50〜ヤセ尾根13:20〜白布温泉(若女平登山口)13:50〜駐車場14:00

【概要】

吾妻連峰は厚い雲に覆われていた。先週の西吾妻山と同様に快晴に恵まれるかも知れないと思いながら自宅を出ただけに、いささかがっかりしながら天元台のリフトに乗る。北望台からはガスが立ちこめる中、ほとんど視界のない樹林帯を登った。カモシカ展望台を過ぎると上空の雲が流れて時々青空ものぞいたりしたのだが、それでもまだすっきりとは晴れることがなかった。しかしガスには覆われていたものの、寒くはなく風も弱いので結構快適なシール登高だった。

梵天岩付近で、若女平の予定をしていたという3人の山スキーヤーに出会う。視界がないので途中で引き返してきたらしく、一緒に下ろうかと少し立ち話をするが、あまり気が進まない様子に私は3人と別れてひとり小屋に向かう。天狗岩を過ぎると時々ガスが晴れようになり、日差しが戻ると西吾妻山の樹氷群がひときわ鮮やかに輝いたりした。

西吾妻小屋には昼前に着いた。視界がないのでいつになくハイペースである。トレースはあったが付近には誰も見当たらない。私は先週と同じ場所にザックを下ろして早速熱いココアを作った。そして菓子パンの簡単な昼食を食べていると、梵天岩で出会った3人のうちの若い二人組が戻ってきて、結局若女平を下ることにしたというのでここからはにわか3人パーティで下ることになった。私も単独よりは心強いのでありがたいばかりである。二人は東京の人達で二宮氏と中里氏といい、今月始めから八甲田などで山スキー三昧の毎日を送ってきたというのだからうらやましい限りだ。

当初、西吾妻小屋からは西の1890mピークから下る予定だったのだが、途中で合流してきた先人のスキーのトレースに導かれてどんどんと沢を下った。下り始めてまもなくすると、ようやくガスも晴れて日差しが戻ってきた。しかし雨を吸ったような湿った雪は重く、また少しパックされた雪面に足をとられて何度も雪に埋没した。二人とも山スキーは上手で楽しそうに下っているが、案内する私の方がこけてばかりいるのでは少し悲しいものがある。もう少し悪雪に強くならなければと思った。ほとんど沢沿いに下り、眼下に若女平が見えてくると古いツアーの標識を拾いながら夏道に戻った。

若女平を過ぎると急斜面をひと滑りでヤセ尾根に出るはずであった。ところが調子に乗ってどんどんと急斜面を下ったものだから、気が付いたときには目の前には見覚えがない光景が広がっていた。スカイバレーが異様に近くに見えていたが、これはまだ見えてはいけないのである。いつのまにか左に振りすぎているのがわかった。25000の地形図ではわからないような小さな起伏がいくつもあって、尾根を二山ほど左に寄りすぎてしまったのだった。急斜面をトラバースしながら本来の尾根に戻るとやっと見覚えのある地形が現れ、ヤセ尾根が眼下に見えた。再びトレースも現れてホッと胸をなで下ろす。若女平の核心部ともいえるヤセ尾根はいつものようにスキーを担いだ。

ヤセ尾根を通過すると杉林を下るようになり最後の急斜面に出た。ここも私は安全策をとってスキーを担ぎ、植林地のような急斜面は横滑りで下った。まもなく林道に飛び出し、前方に有料道路スカイバレーの標識が見えると、若女平の終点はもうまもなくであった。


西吾妻小屋




若女平を下る
(私の滑っている姿を中里氏が撮影してくれました)



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