山 行 記 録

【平成15年2月2日(日)/吾妻連峰 天元台から西吾妻山】



西吾妻山から西吾妻小屋に向かう
後方は飯豊連峰



【メンバー】2名(妻)
【山行形態】テレマークスキーによる山行、冬山装備、日帰り
【山域】吾妻連峰
【山名と標高】
西吾妻山 2,035m
【天候】晴れ
【温泉】白布温泉「かんぽの湯」510円
【行程と参考コースタイム】
北望台10:30〜カモシカ展望台11:10〜梵天岩12:00〜西吾妻山12:25〜西吾妻小屋12:50-13:40〜梵天岩14:10〜カモシカ展望台14:40〜北望台15:30〜白布温泉駐車場16:30

【概要】
カミさんは山スキーでまだ西吾妻山の山頂までの経験がないので今回は単純な往復コースとした。初級者向けのコースとはいってもなだらかな稜線が広がる西吾妻一帯は、いったんガスられれば極端に難度が増す山域でもあり、好天の日を狙って実行したいコースである。今日は平地でも氷点下10度と冷え込み、我が家では水道が凍結してしまった。このぐらい冷え込む日は天候はまず悪くならないだろうと日差しがまぶしい中、白布温泉に向かう。しかし天元台スキー場では日差しはなく小雪が舞っていた。

今日は以前購入していた雪崩ビーコンの初使いだ。北望台でシールを貼りながらビーコンをセットしていると、スノーボーダー達が物珍しげに眺めて行く。今日のコースでは雪崩の心配はまずないものの新しい機器に慣れるための試行である。北望台からは先行者が二人ほどいるようだった。今日も天候には見放されたかなとあまり期待しないで登りはじめる。しかし徐々に周りの雲が流れ始めると樹林帯の中が一気に明るくなった。どうやら雲の上に抜け出したようで上空はピーカンであった。樹林を抜けると下界はみごとな雲海に覆われており、遠方には飯豊連峰や蔵王連峰の稜線が見えた。昨日とは全く正反対の状況にうれしくなる。天候にさえ恵まれれば今日のコースは快適なスキーハイキングであり、今日は何も不安なことはなくなってしまった。

上空からかすかに舞い降りてくる粉雪が朝日に煌めいている。それはまるでダイヤモンドダストのようにも見えて、この幻想的な風景には二人とも感激した。カモシカ展望台からもシールのまま滑走して梵天岩への斜面を登る。時々振り返ると樹氷原が見渡す限りに広がっており、ただ眺めているだけでも思わず快哉を叫びたくなるような気分だ。梵天岩からは西吾妻山の山頂付近に先行者らしい人影が見えた。

西吾妻山頂からは雲海の上に飛び出した飯豊連峰がひときわ鮮やかだった。南に聳える磐梯山はあいにく雲に隠れており、山頂付近がわずかに見えるだけだったが、今日の西吾妻山頂はめずらしく無風状態である。早速記念写真を撮ったり撮られたりして、山頂でのひとときをのんびりと楽しんだ。山頂からはまっすぐに小屋を目指して下ったが、途中の密林のような樹氷が邪魔で、カミさんは少しつらそうだった。北西側の斜面は登りにはいいのだが下りには全く向いていないことをすっかり忘れていた。

西吾妻小屋には誰もいなかった。先行者はすでに往路を戻ったらしく、小屋の周囲には踏跡だけが残っている。小屋を覗いてみると、2階への入口が少し空いていて中には雪が吹き溜まっていた。私達は日差しが暖かいので、小屋の入り口付近で昼食とした。休憩の都度、行動食を口に入れているのでそれほど腹は空いてはいなかったが、一応ラーメンとココアを作った。見上げれば雲一つない紺碧の空がどこまでも青く、こんな日はいつまでものんびりとしていたい心境になる。屋根に降り積もった雪が日差しに融けだして、雫がしたたり落ちていた。

梵天岩からはシールを外してつかの間の滑降を楽しむ。ここも短い割にはパウダースノーが味わえる唯一の斜面だ。カミさんものんびりとターンを繰り返しながら下っている。この斜面がもっと長ければいいのにといつも思うのだがあっというまにコルに着いてしまった。シールをつけてカモシカ展望台までは再び登り返し。北望台までカミさんはシールのまま下り、私は深雪の滑降をゆっくりと楽しんだ。北望台に出れば後はゲレンデをひと滑りして、湯の平コースを白布温泉まで下るだけであった。


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