山 行 記 録

【平成14年10月13日(日)〜14日(月)/アヤメ平〜富士見峠〜尾瀬ヶ原】



静けさの漂う下田代十字路



【メンバー】3名(妻、長女)
【山行形態】夏山装備、前日民宿泊(山行は日帰り)
【山域】尾瀬
【山名と標高】中原山1,968m、アヤメ平1,969m
【天候】晴れ
【宿泊】群馬県利根郡片品村 東小川温泉「おおくら荘」
【行程と参考コースタイム】
鳩待峠6:30〜中原山7:50〜アヤメ平8:00〜富士見小屋8:20〜下田代十字路10:30着/11:30発〜竜宮小屋11:50〜山ノ鼻13:10/13:45〜鳩待峠14:35

【概要】
カミさんと長女の3人で山に出かけるのは今年2度目である。久しぶりに山小屋に泊まりながら紅葉の尾瀬を楽しめるとあって楽しみにしていた。ところが連休直前にどうにか尾瀬の山小屋を予約する事ができたまでは良かったものの、その先とんだアクシデントが待っていた。今回は鳩待峠から尾瀬に入ることにしたのだが、まだ暗いうちに自宅を出たにもかかわらず宇都宮ICからは早くも大渋滞に巻き込まれてしまい、その日は尾瀬までたどり着けなかったのである。少しも動かない車の中から携帯で泣く泣く山小屋をキャンセルして、ようやく片品村までたどり着いたのは夕暮れ時であった。

その日の宿をどうするか心配したものの、どうにか飛び込みで近くの民宿に泊まることができたのは幸いであった。しかし翌日は日帰りで尾瀬ヶ原の散策をするしかないのだと思うとがっかりだった。とはいってもただ尾瀬ヶ原を歩くだけではつまらないので、翌日の行程をアヤメ平から富士見峠をまわって尾瀬ヶ原に下ることに決めてみると、何となく今日の分も取り戻せそうな気分になるのだから現金なものである。その夜は温泉で汗を流してから民宿での夕食をゆっくりと楽しんだ。私は長い1日の疲れがでたのか少しのビールで酔いがまわった。

翌日、また渋滞に巻き込まれてはかなわないと、4時半に起床して朝食はとらずに5時には民宿を出たのだが、戸倉スキー場までは30分もかからなかった。戸倉スキー場の駐車場からはマイカー規制がされており、乗合タクシーに乗り換えて鳩待峠まで行く。タクシーに乗っている間、徐々に深まって行く紅葉の風景を眺めていたが、東北と比べると全体的に黄色みを帯びた黄葉だけが目立ち、ナナカマドやヤマウルシなどの赤色の華やかさが足りない気がした。

鳩待峠付近の紅葉は既に終わり、周辺の樹木の半分くらいはすでに葉を落としている。時間はまだ6時半ということもあって肌寒く、出発する前に休憩所で一杯500円のキノコ汁を奮発して体を温めてから出発した。アヤメ平からは尾瀬を取り卷く山並みと雄大な景色が楽しみなところだ。しかし樹林帯を登るうちにガスが広がりだし、途中の横田代の湿原では深い霧に覆われてしまい展望はほとんどなかった。中原山のピークを過ぎてアヤメ平のベンチで一休みしていると一瞬晴れ間が広がったものの、それは長続きはしなかった。

富士見峠からはようやく暖かい日差しが戻り、峠からの八木沢道は鮮やかな紅葉を楽しみながら下ることができた。午前10時半。鳩待峠からはちょうど4時間で下田代十字路に着いた。さぞかし多くのハイカーや登山者で溢れていると思ったら、連休の最終日のためか登山者もまばらで、山小屋の周りは予想外の静けさに包まれている。早速ベンチにザックを下ろし、私はコーヒーを沸かしてカミさんと長女は売店からカレーライスなどを注文した。

下田代十字路を後にするといよいよ今日のハイライトである尾瀬ヶ原だが、紅葉の時期はすでに過ぎており、草紅葉の広がる湿原には冬を間近に控えた晩秋の寂しさが漂っていた。しかしこの風景も尾瀬の魅力のひとつであり、私達はのんびりと湿原の木道歩きを楽しんだ。富士見峠を下っているときには雲に隠れていた燧ヶ岳も尾瀬ヶ原を歩くときにはすっきりと晴れ渡り、青空を背景にして双耳峰の美しい姿を池塘に映していた。

交通の要所ともいえる山ノ鼻はさすがに多くのハイカー達で混雑を極めていた。連休の最終日とはいえ、日帰りのツアーで来る人も多く、かなりの人混みである。今日の行程は日帰りとしては比較的長いコースとなってしまい、初めての二人は結構疲れている様子だった。ここでもキノコ汁を奮発して、しばらくベンチで一休みした。

売店やビジターセンターの周りはひっきりなしにハイカーが行き交っていた。しかしすぐそばにあるキャンプ場では一人用のテントが2張り張られているだけで、そこだけが別世界のように閑散としている。そこでは登山者がひとり、休憩所の喧噪をよそにビールを飲みながらのんびりとくつろいでいる姿が印象的だった。山ノ鼻では30分ほど休んでから鳩待峠に向かった。ツアーできた人達も同じように帰る時間なのか、いつのまにか木道には行列ができるほど混み始めていた。



下田代十字路から至仏山を望む




下田代十字路で




尾瀬ヶ原の池塘と燧ヶ岳


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