山 行 記 録

【平成14年9月17日(火)/神室連峰 杢蔵山】



雨に煙る杢蔵山荘



【メンバー】単独
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】神室連峰
【山名と標高】杢蔵山1,027m
【天候】雨
【温泉】山形県新庄市「奥羽金沢温泉保養センター」400円
【行程と参考コースタイム】
山屋キャンプ場9:30〜一ノ滝10:00〜杢蔵山荘10:50〜杢蔵山11:10〜杢蔵山荘11:30〜テレビ塔〜山屋キャンプ場12:40

【概要】
今日は朝から雨が降り続いていた。東北地方はどこも雨模様で止む気配もなく、どこに出かけても同じならばと地元の手軽な山に出かけることにした。杢蔵山は神室連峰の最南端に位置し、新庄市の東側に聳える市民の山として親しまれている山である。

杢蔵山の登山口は山屋キャンプ場から少し進んだ林道の左手にあった。平日のそれもこんな雨の日に登るのは他には誰もいるはずもなく登山口はひっそりとしていた。すぐ近くには材木業者の飯場のようなプレハブ小屋があり、林道の傍らには切り出された杉の木がうずたかく積まれている。雨は止む気配もなく降り続いていたが、雨具を着てしまうとそれほど気にならなくなった。一ノ滝コースと書かれた標識に従って戸前川沿いに登山道を歩く。途中に不動明王の石塔があり、しばらく山道を登ると眼下に一の滝の流れが見えた。危険な個所はないものの、沢が合流する付近から渡渉したりする場面が多くなった。晴れていれば清流の流れる沢歩きは気持ちがいいばかりのはずなのだが、今日のような雨が降りしきる中では気分はいまひとつであった。

急斜面の登りに汗を搾り取られるとやがて傾斜が緩くなり、笹原が広がる稜線の分岐に飛び出した。右への道はテレビ塔に続いており、左手には杢蔵山荘が見えている。しかし後ろに聳えている筈の杢蔵山は雨に煙っていてほとんど見えない。稜線が見えないだけに山頂までの距離感がつかめなかった。標準のコースタイムでは小屋から山頂まで40分である。杢蔵山に向かう前に杢蔵山荘に立ち寄って覗いてみた。すると内部は驚くほどきれいで、寝具や食器などの備品も豊富にあり、また中央にはストーブも据えられており、思わず泊まってみたくなる素敵な小屋であった。利用料金も200円と安く気軽に泊まれそうである。

杢蔵山荘の入口の前を横切って登山道を進むと途中に水場があった。岩から滲み出している清水で、飲んでみるとまろやかな味がした。周りは鬱蒼としたブナ林で水場からは一気に急坂を登った。やがて飛び出した稜線はヤセ尾根となっていて向こう側は切り立った断崖となっている。登山道はなおも左に続いており、小さなピークを4つほど越して行くとようやく杢蔵山の山頂に着いた。三角点の標石と金属製の新しい標識が立っている。あいにく雨は止むことなく降り続いているために山頂からの展望は残念ながらなかった。ここからは八森山、火打山、小又山と神室連峰の縦走路が続いているはずだったがほとんど見えない。ただ東側がすっぱりと切れ落ちている非対称山稜は、数年前の神室連峰縦走路を思い起こさせた。

山頂からは往路を分岐まで戻った。杢蔵山荘を過ぎ、分岐点からは三角山のピークに据えられているテレビ塔をめざしてまっすぐに進む。ガイドブックにはテレビ塔から先にも少し登山道が続いているような記載があったが、付近を探してみたもののよくわからず、結局テレビ塔からは林道を歩くことにした。登山道は草が伸び放題となって半分ヤブ道になったのかもしれなかった。結局この日は誰にも会うことはなく静かな雨の山歩きとなった。私は予想外の長い林道に半分うんざりしながら駐車場をめざした。


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