山 行 記 録

【平成14年8月27日(火)/北アルプス 肩ノ小屋口から乗鞍岳】



肩ノ小屋から見上げる乗鞍岳
この後、ガスはますます深くなり視界がなくなった



【メンバー】単独
【山行形態】夏山装備、日帰り(前日、肩ノ小屋口に車中泊)
【山域】北アルプス
【山名と標高】乗鞍岳3,026m
【天候】曇り
【行程と参考コースタイム】
   肩ノ小屋口5:00〜肩ノ小屋5:25〜乗鞍岳6:10着/6:20発〜肩ノ小屋口7:00

【概要】
北アルプスでひときわ大きな山容を誇る乗鞍岳はいつも遠くから眺めるだけの山であった。有料道路の乗鞍スカイラインや乗鞍エコーラインがほとんど山頂直下ともいえる畳平まで延びているので、ここは最も簡単に登れる3000m峰として有名で、そんなことからなかなか登る機会がなかったが、今回の中央アルプスの山旅の帰宅途中でちょっと寄り道することにしたものである。山頂から一望する山岳景観も楽しみのひとつであった。

恵那山を登り終えて乗鞍エコーラインをひた走り、畳平の駐車場に到着するころは夕方になっていた。もうすぐ日も暮れようとしているのにここの広い大駐車場は多くの観光客で混雑をきわめていた。この畳平の駐車場では車中泊は禁止されているというので、私は少し下った肩ノ小屋口の駐車スペースに車を留めて翌日の登頂に備えた。肩ノ小屋口から仰ぐと富士見岳や朝日岳の峰々がくっきりと夕空に映えて美しく、そして夜は煌々とした月夜と満天の星空が広がり、翌日も間違いなく晴れそうな空模様であった。ところが翌日の早朝から山頂付近がガスに覆われてしまい、それは見る間に広がりだしてしまったのである。登るときには肩ノ小屋までは晴れていたのだが剣ガ峰への登りはすっかりガスの中であった。畳平方面からは早くも登ってきている人達もいてみんながっかりしている。なかには軽装でザックさえ背負っていない人もいて散歩がてらにちょっと登ってきたという雰囲気である。ハイキングを楽しめるという天候でもないのに、それでもみんな山頂をめざしていた。

剣ガ峰の山頂は全く視界がない白い闇に包まれていた。ガスとともに強風が吹く山頂ではたちまち髪の毛は濡れて被服には水滴が付着した。濃霧は霧雨と変わりがなくなっている。神社の軒下に腰をおろして晴れるのを期待しながら待ってはみたものの濃いガスはますます悪化するばかりで、こんなことならば少々薄暗くなっても昨日のうちに山頂を踏んでおくのだったと思っても後の祭りであった。肩ノ小屋口の駐車場に戻るとここにも濃霧がおりてきていて、早朝まであった視界は全くといっていいぼとなくなっていた。せっかく足を延ばした北アルプスであったが今回はあきらめるしかないようである。乗鞍岳は手軽に楽しめる山だけにいつかまた登らなければと思いながら登山口を後にした。



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