山 行 記 録

【平成14年8月18日(日)/弥陀ガ原から月山】



ちょうど山頂までの中間地点に建つ仏生池小屋
大勢の登山者や参拝者でにぎわっていた



【メンバー】3名(妻、長女)
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】出羽三山
【山名と標高】月山1980m
【天候】晴れ時々曇り
【温泉】山形県羽黒町 やまぶし温泉「ゆぽか」350円
【行程と参考コースタイム】
月山八合目8:45〜仏生池小屋10:20〜月山山頂11:40着/11:55発〜仏生池小屋付近(昼食)12:35着/13:40発〜月山八合目15:10

【概要】
今日は珍しく長女とカミさんとのファミリー登山で、初めて山形県羽黒町側から登ってみることにした。月山八合目登山口の駐車場はまだ朝早い時間にもかかわらず、マイカーと一緒に大型観光バスが何台も駐車中であった。みな出羽三山巡りのツアー客、いわゆる三山掛けの講中の人達のようである。この駐車場からは眼下に広がる庄内平野や日本海を一望できる場所ということもあって一般の観光客も多かった。

今日の天気予報は曇り時々雨という予報であった。これでは晴れ間をほとんど期待できそうにもないなと、半分あきらめていたのだが、庄内側に来てみると意外にも青空も広がっており、やっぱり天候は現地に来てみないとわからないものだと今更ながら思った。

登り初めこそ時々ガスに包まれたりしたものの、反面、暑くないので歩きやすかった。登り始めると多くの白装束に身をまとった参拝者が目立った。その数はおよそ登山者と半々ぐらいだろうか。中には早くも下ってくる人達も多い。木道を進むとすぐに御田原山篭所に着いた。ここには参拝者達の他に一見して山登りではないような服装の人も多くいて、夏山だけなのだろうがまるでここは観光地と一緒だった。

山篭所からも木道が先に続いている。登山道は穏やかな勾配が続いていて登りやすく、池塘の広がる湿原地帯を登ってゆくとだんだんと山道らしくなっていった。花は盛りは過ぎていたのでそう多くはなかったが、ハクサンフウロやニッコウキスゲ、ハクサンイチゲなどはまだ鮮やかに咲いている。まもなく仏生池小屋が現れるとここでも多くの登山者や参拝者が休憩している。路傍には小さな地蔵様が並び、まるで私達を出迎えてくれているようだった。

仏生池小屋を過ぎると登山道はオモワシ山の東側を卷くように続いていた。ところがこの途中でアクシデントが発生した。長女が履いていた登山靴のゴム底が両方とも剥がれ始めたのだ。タオルを何本か裂き、靴を縛って応急処置だけをしてみたが、万一のことを考えるととても山頂まで行ける状態ではなく、ここから引き返すしかないように思えた。カミさんのお古の靴とはいえ比較的新しい靴だったのだが、少し老朽化が進んでいたようである。こうして一時は登山をあきらめかけたのだが、話し合いの結果、山頂へは私と長女の二人で往復してくることになり、カミさんはここで休憩することになった。靴はカミさんと交換し、ザックには水筒と行動食、雨具だけを入れただけの軽装で登山を再開することにした。昼食は戻ってきてからになったわけである。

途中、行者返しの坂と呼ばれる岩場の登りがあり、そこを乗越すと急に周囲は明るくなり視界が広がった。左側は広大な斜面が広がり右手の高みはオモワシ山でこの付近一帯に広がる草原は月見ガ原である。雲が晴れて青空が空の半分ほどを占めるまでになり、のどかな明るい風景を眺めながらの快適な登りが続いた。山頂が近づくと再び木道が現れる。このへんはモックラ坂と呼ばれるところで、やはりなだらかな道が山頂付近まで続いていた。

やがてひと登りで月山山頂に到着した。ここは姥沢から登ってきた登山者、参拝者も合流するのでまさしくごったがえの様相を呈している。神社の東側の斜面では多くの家族連れやハイカー、団体の登山者達で溢れ、みんなビニールシートなどに腰をおろして昼食を楽しんでいた。山頂では時々ガスが流れて視界が遮られたりしたものの、ガスの合間からは牛首や姥ガ岳の山並みが見えた。せっかく登ってきた月山の山頂なのでのんびりしたいところだったが、下ではカミさんが待っているので長居をするわけにもゆかず、長女と私は小休止しただけで山頂を後にした。とっくに正午は過ぎていて、みんなの昼食風景を眺めているうちにこちらも早く弁当を広げたくなっていた。

戻ってみるとカミさんは持ってきた雑誌を読みながら時間をつぶしていた。山頂からは40分ほどかかったためもう1時近くになっている。早速近くの岩場に腰を下ろして昼食をとることにした。カミさんはラーメンとおにぎり、長女と私はスパゲッティをフライパンで炒めて食べた。休んでいる間もひっきりなしに登山者が登山道を行き交っていた。

食後は道ばたに咲く花々を愛でながらのんびりと歩いた。しばらく下ると広大な弥陀ガ原が眼下に広がっていた。弥陀ガ原はこの月山では念仏ヶ原と並ぶ二大湿原であり、無数の池塘が点在するこの美しい風景を眺めているだけで心が安らぐ思いがした。予想外のアクシデントはあったものの適度な汗をかいてカミさんも長女も満足した顔をしている。八合目からは直登コースの他にも木道が東西に伸び、手軽に高原散策を楽しめるようになっているので、今度はカミさんを連れて秋の草紅葉の時期にのんびりとこの湿原周辺を散策するのも良いかもしれないと、次回を楽しみにレストハウスに向かった。



気持ちの良い木道歩きが続くモックラ坂
山頂まではもうわずかだ



三山掛けの参拝者達
奥に月山の山頂小屋が見える



弥陀ガ原の湿原と池塘


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