山 行 記 録

【平成14年4月21日(日)/月山 石跳川コースを下る】



雪が融け始めた月山山頂



【メンバー】単独
【山行形態】テレマークスキーによる山行、冬山装備、日帰り
【山域】出羽三山
【山名と標高】月山 1980m
【天候】曇り
【温泉】西川町 水沢温泉館 200円
【行程と参考コースタイム】
リフト終点出発910〜月山山頂1130-1150(昼食)〜金姥1220〜(石跳川コース)(途中休憩)〜ネイチャーセンター(志津)1400〜月山荘バス停1415
月山荘前バス停1444(西川町営バス)姥沢駐車場に戻る1500

【概要】
先週の「月山〜肘折温泉」に続いて今回は「石跳川コース」を下る。今日は朝からどんよりとした曇り空が広がり、気分は今ひとつ盛り上がらなかった。姥沢に着いてみると駐車場付近の視界はかろうじてあるものの、少し上の方は全く濃霧に包まれている。こんな天候のためだろうか。春スキーのシーズンとはいえ、駐車場には思ったほどの車が留まっていない。悪天候にあきらめたのか早々と下ってゆく車も多かった。

早速準備を整えて出発してみると、リフトの下にはほとんど雪がなくなっていた。土が剥き出しでビニール袋を片手にフキノトウを採っている人も何人かいる。雪はますます少なくなっており、たった1週間で景色は全く違って見えた。

リフト終点は強風とガスの中で何も見えない状況だった。陽射しがないことに加えて気温も低く、冬に逆戻りしたような天候である。私は晴れることを期待しながらシールをつけて一応月山に向かう。先に3人グループが牛首の方角に向かったがすぐに見えなくなった。

現在地がはっきりしないまま登っていたのだが、1時間ほどするとようやく霧が晴れだし、目前に月山山頂や牛首付近が現れた。そこは柴灯森付近の急斜面で、予想外の地点に立っているのでびっくりした。視界のない中での山登りの危険さをあらためて感じる。そこから尾根に上がると吹き飛ばされそうなほどの風が吹いていた。振り返るとリフト終点や姥ガ岳付近はまだガスに覆われているが、庄内側は割合に晴れていて青空さえ見えた。しかし鳥海山は雲に隠れて全く見えなかった。そこからは尾根伝いに山頂に向かった。途中で2〜3人の登山者に出会うが他には見あたらない。昨日の栗駒山の好天が信じられないほど今日は気温が低く、また夕暮れのように薄暗かった。烈風ともいえる風は登るにつれてますます激しくなっていた。

先週は山頂直下の急斜面にもまだ多くの積雪があったのだが、今日は所々で雪が切れていた。下ってくるときはスキーを担がなければならないかもしれなかった。

11時30分。ようやく月山山頂に着いた。いつもよりだいぶ時間がかかっている。山頂の小屋の陰で風を避けながらカップラーメンを作りしばし休憩した。誰一人登ってくる人がいなく静かな月山の山頂だった。

鍛冶小屋の直下で滑降の準備をしているとようやく若いスノーボーダーが二人登ってきただけだった。今日の予定は金姥から石跳川を下る予定である。牛首からは広大な斜面を滑降し、途中からトラバース気味に姥ガ岳の直下に向かった。遅く登ってきた登山者が一人遠くに見えるだけで、他には一人も登山者が見あたらない。今日はどこまでも寂しい月山だった。

金姥から姥ケ岳を卷いて行くと正面には湯殿山が現れる。そして仙人沢を挟んで右手には品倉尾根とその末端には急峻な山容の品倉山が見えた。姥ケ岳の西斜面を快適に滑って行くと、湯殿山の裾野にはスノーボーダーや山スキーヤーがいる。その数は意外にも多く、どうやら20人以上の団体らしかった。そしてスキーを担ぎながら湯殿山を登っている人も何人かいた。私も湯殿山を登ることも考えていたのだが、昨日の疲れがまだ残っていて今日は登る元気が全くなくなっている。湯殿山を右手に見ながら石跳川の源頭をめざしてまっすぐに下った。

気がつくと午前中の強風はいつのまにか収まり、時々薄日が射すようになっていた。今日は終点のネイチャーセンターからはバスで姥沢に戻る予定。しかしバス時間まではなんと2時間もあることがわかり、石跳川の左岸沿いに下る途中で休憩をとることにした。銀マットを敷きゆっくりとお湯を湧かしてコーヒータイムだ。対岸ではさきほどのスノーボーダー達も休憩を始めたようだった。

周囲にはまだ芽吹き前のブナ林が広がっていて、そのモノトーンの風景が美しい。朝から気持ちが塞ぎっぱなしの1日だったが、そんな春の風景を眺めているとようやく気分が晴れてくるようだった。遠くに雪解け水の流れる音が聞こえており、この月山周辺も確実に春が近いことを感じた。私はザックを枕に横になり1時間ほど眠った。

そこからはブナ林の緩斜面をのんびりと下りはじめた。ワックスを塗り直したスキーも黄砂の上に枯葉、枯れ枝が目立つ雪面ではすぐに滑らなくなってしまい、まるでブレーキがかかるような悪雪だったが、それでも石跳川沿いの滑走は気持ちが良く、結構惜しみ惜しみ下った。しかし長いこのコースもスキーだとたちまちで、徐々に終点のネイチャーセンターが近づいていた。



金姥から見る湯殿山


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