山 行 記 録

【平成14年4月7日(日)/月山 姥沢から姥ケ岳(途中まで)】



小雨が降る中を姥ガ岳めざして登りはじめる
黄砂が降り続いた今年は雪が汚れている



【メンバー】2名(原、蒲生)
【山行形態】テレマークスキーによる山行、冬山装備、日帰り
【山域】出羽三山
【山名と標高】姥ケ岳1670m
【天候】雨
【温泉】西川町 志津温泉「清水屋旅館」
【行程と参考コースタイム】
姥沢1120〜1220姥ケ岳直下(昼食)1250発〜姥沢1300

【概要】
今日は本来であれば月山の山頂に登り、復路は石跳川のコースを楽しみながらネイチャーセンターまで下る予定だった。
ところが前夜から降り続いている雨は朝になっても降り止まなかった。早朝、原氏と落ち合っていったんは山行の中止を決めたものの、やはり現地まではいってみようかということになり一応姥沢に向かうことにした。しかしやはり豪雪地帯である。志津温泉を過ぎても雨は降り止む気配はなかった。

山形自然博物園では悪天候にもかかわらず、ラングラウフスキー大会が開かれており、道路沿いには多くの車が駐車してある。姥沢までの除雪はすでに完了しており10日のスキー場開きを待つばかりになっているようだ。雪の壁を縫って車を走らせる。いつもながらの光景とはいえ、姥沢までの積雪状況は例年よりもずっと少ないという印象である。そして黄砂の影響だろう。茶色に変色した雪にはがっかりするばかりだった。

除雪の終了地点で車を留める。姥沢の駐車場には車が数台留まっているのみで人影も見あたらず、雨に煙る景色は寂しいばかりだった。雨空を見上げながら同行の原氏はこのまま温泉にでも直行したそうな様子である。しかし風も弱いので散策程度はしてみようとかと、半ば強引に誘い少しだけ登ってみることにした。

こんな天候でもやはり物好きはいるもので姥沢小屋周辺ではスノーボーダーが数人滑っていた。また姥ケ岳の方から一人、二人と山スキーヤーが下ってくる。みんな雨で全身びしょぬれである。その中の一人に聞いてみると、姥ケ岳山頂付近は濃いガスのためほとんど何も見えず、また雨も強く降っているとのこと。今日登っている登山者はおそらく5〜6人前後だろうという。また2〜3人が月山の山頂に向かっていったと聞いて、ものすごい連中もいるものだと驚いた。

姥ケ岳へは姥沢沿いにまっすぐに登るだけである。最初はブナ林の緩斜面を登り、やがて木立がなくなると斜度が急になる。このガスの中では目標物がなくなるので不安が増すところだ。ほとんど何も見えなかったが右手の方角からはリフトの音がかすかに聞こえている。スキー場開きのために試運転をしているのだろう。

雨に混じって風も強くなってきていた。斜面はますます急になり途中から斜登高に切り替える。1時間ほど登った地点で今日はここらが限度と判断、休憩をすることにした。山頂直下のかなりの急斜面だったが雪はかなりザケているので何とか足場を作りツェルトを張った。冷たい雨と風で体は予想外に冷え切っていたもののツェルトの中にはいるとすぐに体が温まった。

昼のひとときはあっという間に過ぎた。ツェルトの外は相変わらず雨が降り続き風も強い。急いでツェルトの撤収を終えるとシールをはずして滑降の開始だ。視界もない中を登ってきた貴重な標高である。もったいないのでターンの一つ一つを大事にしながら下る。しかし1時間で稼いだ標高はたいしたことはなかった。またたくまに姥沢まで下ってきてしまい、ささやかな雨の月山の一日が終わった。

下山後は志津温泉の湯船に浸った。雪と戯れた時間は短かったが、おかげで心地よい疲れとともに気怠いような充足感を味わっていた。清水屋旅館では残雪に閉ざされた五色沼が浴槽から眺めることができる。雨は相変わらず降り続いていて風景全体が霞んでいた。このまま降り続けば貴重な月山の雪がまた融けてしまうだろう。そう思うとせつなくて涙がこぼれそうになった。



姥ケ岳直下の急斜面で昼食
ツェルトを撤収してこれから下るだけだが
相変わらず雨は降り続いている


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