山 行 記 録

【平成14年3月9日(土)/吾妻連峰 天元台から大沢下り】



広大な雪原、弥兵衛平を歩く
中大巓(左奥)と藤十郎(右)



【メンバー】3名(原、渡辺、蒲生)+ 特別参加1名
【山行形態】テレマークスキーによる山行、冬山装備、日帰り
【山域】吾妻連峰
【山名と標高】中大巓1964m、東大巓1928m周辺
【天候】晴れ
【温泉】白布温泉 「かんぽの湯」510円
【行程と参考コースタイム】
長井700(車)大沢駅800天元台湯元駅着910
天元台スキー場リフト終点1000〜人形石〜東大巓〜明月荘1245-1330〜大沢駅1620着
大沢駅(車)天元台(車)(解散)〜自宅

【概要】
今日は2月の雄国山縦走メンバーによる大沢下りである。このところの気温の上昇で、雪の代わりに雨が降るような天候が続いていたが、2、3日前にはめずらしく降雪があり雪の心配はなさそうだった。気になる天候はちょうど週末にあわせたかのようなツアー日和の快晴の空が朝から広がっている。

午前10時。天元台リフト終点を出発する。今日は中大巓へ続いているトレースを右にみて人形石までの巻き道のコースをたどる。シール登高の原氏と私は快適な登りなのだが、ゲレンデスキーを担いでいる他の二人は深雪の坪足にだいぶ苦労している様子で少し遅れ気味である。樹林帯を抜けると稜線が近づくにつれてだんだんと冷たい強風に晒されるようになった。舞い上がる雪に時々視界がなくなるほどだった。

午前11時、人形石に到着。ここでシールをはずし鞍部までのひと滑りを楽しむ。藤十郎付近からは平坦な雪原歩きで、この区間は青空を背景に飯豊連峰や朝日連峰の長大な稜線を眺めながらの気持ちのよい稜線漫歩だ。正面には東吾妻山から一切経山へのなだらかな吾妻の縦走路が続き、振り返ればピラミダルな磐梯山が意外なほど近くにそびえている。途中で原氏のスキーのビンディングがはずれるというアクシデントがあったりで時間を取られたりしたものの、その後はなんの不安もない快適な雪原歩きが続いた。明月荘はもうまもなくだった。

小屋には先客が4人いたが我々が食事を始めるとまもなく小屋を出ていった。ザックを下ろし早速缶ビールを開けて乾いた喉を潤す。ひさしぶりに汗をかいたおかげで冷たいビールがことのほか美味しい。そして各々のザックからカップラーメンやおにぎり、果物やつまみなどが所狭しと並べられ一時の楽しい昼食が始まった。

食事を終えて小屋を出るとすぐに強風に晒される。上空は快晴なのに膚を突き刺すような寒気にたちまち体が震えた。ツアー標識に導かれながら慎重に下り始めると、クラストしたガリガリの斜面も徐々に柔らかい雪となり快適になる。下るに従って気温も上昇してきていた。途中でコースを少し間違え、みんなによけいなアルバイトをさせてしまったりしたものの、快晴の空の下ではそんな道草も楽しい。予定していなかった深雪の斜面を滑ることができて半分は喜んでいる。砂盛を過ぎると茂皮平ではスキーをはずして大休止した。ザックを枕に横になると暖かい日差しが心地よく、ついうたた寝をしてしまいそうだった。

吾妻山麓牧場付近からは信じられないほどの気温の上昇で、雪面はベタ雪状態になりスキーは極端に滑らなくなった。これでは林道の雪が消えるのも例年よりかなり早まるだろうと思われた。時間が遅かったこともあり、誰もいない大沢スキー場の休憩小屋はひっそりとしている。小屋の前を通り過ぎるとき、管理をしているおばさんが窓際で一人寂しそうに座っていたのが印象的だった。16時20分、ようやく大沢駅に到着し、まったく春山といってもいいような今回のスキーツアーが終わった。



飯豊連峰をバックに人形石に向かう



広い雪原に建つ明月荘





東吾妻山をバックに
明月荘を出発するところ



温かい陽射しを浴びながら緩やかな斜面を登る


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