山 行 記 録

【平成13年10月13日(土)/朝日連峰 祝瓶山】



雨と強風と濃霧の祝瓶山山頂



【メンバー】6名(新野、渡辺、伊藤(賢)、伊藤(孝)、田中、蒲生)
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】朝日連峰
【山名と標高】祝瓶山 1417m
【天候】雨
【温泉】長井温泉「桜湯」300円
【行程と参考コースタイム】
祝瓶山荘900〜祝瓶山山頂1200-1215〜祝瓶山1400
【概要】
今日は私達の山の会の恒例事業である祝瓶山だ。例によって、下山後に行う山小屋での芋煮会で今年の山行を締めくくる予定である。昨年も同じ時期に登っており、翌日は祝瓶山の市民登山が予定されているのも同じである。ところが登る前に立ち寄った木地山山荘では、入口のドアの鍵が合わないため中に入ることができなかった。このアクシデントにはみんなもがっかりするばかりで、結局この小屋への宿泊はあきらめるしかなく、気落ちした思いで祝瓶山荘に向かったのだった。

天気予報はそれほど悪くはなかったのに、祝瓶山荘付近では激しい雨が降り続いており、土砂降りといってもいいほどの様相を呈していた。昨年は好天にめぐまれ、山頂付近の見事な紅葉を楽しんだものだが、今年はまるで望めそうもない天候である。どうしようもないのでしばらく車の中で模様をみながら、小降りになるのを待って出発した。小雨は降り続いているので雨具を着ての行動である。昨日から降り続いた雨のために、カクナラ沢やクワズミ沢も増水して簡単には渡れなくなっているほどだった。桑住平を抜けるとすぐに急登が始まり、これまでのだらだらとした歩きとは違って、間断なく続く爽快な登りに気持ちの良い汗が噴き出した。ヤセ尾根を過ぎると周りは紅葉した潅木が目立つようになった。しかし陽射しがないので、せっかく色づいた木々もくすんでいて輝きが感じられない。小雨混じりの今日のような天候では、紅葉を愛でるような状況ではなかった。

悪天の中を、ただひたすら登り続けてようやく到着した祝瓶山の山頂は、予想どおりというべきか濃い霧のために視界が全くなかった。強風に乗って吹き付けてくる雨も雪に変わりそうなほどの冷たさだ。遅れて到着してきたメンバーの顔色も、雨に濡れて疲れ切った表情をしていて冴えない。これではビールを楽しみに昼食をとるどころではない。楽しみにしていた山小屋は当てにならないうえに、天候にも見放されてしまい、踏んだり蹴ったりの一日になりそうな気配が漂っていた。だんだんと冷えきってくるので体は寒さに震えはじめ、今はただ温かい温泉が恋しくなっていた。みんなもどうやら同じ思いになっていたようである。相談すると間髪を入れず、桜湯の温泉行が決まった。

山頂からしばらく下り、ヤセ尾根の付近まできたところで遅い昼食をとることにした。少し下れば桑住平も近い地点である。ここまで下るとようやく厚い雨雲からも抜け出して雨も小やみになり、わずかながら展望がきくようになっていた。遠くに目をやれば長井葉山や木地山ダムの周辺には陽射しも差している。晴れているのかその付近だけが明るい。大朝日岳の方もこちらよりは晴れている気配である。どうやらこの祝瓶山の山頂付近を中心に大きな雨雲が今日一日居座っているようであった。振り返ると山頂は厚い雲に覆われていて全く見えなかった。このところ週末はいい天候に恵まれていただけに、今年の祝瓶山も期待していたのだが、秋空はそうそう続くものではないのだろう。数え切れないほどこの山に登ってきているが、こんな悪天候での祝瓶山は初めてのような気がした。今日の楽しみにと、せっかく冷やしてきたビールは、今日はただ苦いだけの飲み物にしか思われなかった。そそくさと食事を終えると、そこからは温泉を楽しみに祝瓶山荘まで下るだけだった。


祝瓶山への途上の紅葉



山頂からの下りで
みんな悪天候の中の登山で疲れはてた顔をしている


inserted by FC2 system