山 行 記 録

【平成13年6月16日(土)〜17日(日)/尾瀬 アヤメ平】



池塘と至仏山(チングルマが咲くアヤメ平で)
[2001.6.17撮影]



【メンバー】6名(伊藤孝、伊藤賢、清水、東海林、渡辺、蒲生)
【山行形態】夏山装備、テント泊
【山域】尾瀬
【山名と標高】アヤメ平(中原山)1968.8m
【天候】16日(曇り時々雨)、17日(晴れ)
【温泉】群馬県片品村戸倉 「尾瀬温泉センター」500円
【行程と参考コースタイム】
長井250−新潟西IC−沼田IC−戸倉スキー場駐車場−バス900円−鳩待峠

(16日)鳩待峠1000〜山の鼻1050〜東電小屋1240〜見晴十字路キャンプ場1415(テント泊)
(17日)見晴十字路キャンプ場650〜富士見小屋935〜1020アヤメ平1120〜鳩待峠着1240

鳩待峠−バス900円−戸倉スキー場駐車場−沼田IC−新潟空港IC−長井着2030

【概要】
日本有数の高層湿原である尾瀬を歩くのは実に久しぶりだった。ただ木道を歩くだけの尾瀬については、最近はそれほど食指を動かされないのだが、今回は数多く歩いている尾瀬のコースの中でも、メンバー全員がまだ歩いたことがないという、アヤメ平が目的で、私も一度は訪れたいと考えていたものである。

尾瀬ヶ原は周囲を2000m級の山々に囲まれており、アヤメ平はその山頂の一角に広がる湿原である。尾瀬ヶ原の標高は1400mでアヤメ平までの標高差は約600mほど。直登した場合の登りは約2時間ぐらいだろうか。後はほとんど平坦な木道歩きなので、やはりハイキングの域を出ない計画なのだが、それでも2000mの山頂に広がる湿原からの雄大な景色を、いつかは眺めてみたいと、以前から実に楽しみにしていたところである。また尾瀬ヶ原や尾瀬沼周辺と比較してアヤメ平は入山者も極端に少ないので、静かな尾瀬を味わうことができることも個人的にはうれしい。友人達とテントを担いでのキャンプも久しぶりだった。

初日の天候はあまりよくなく、鳩待峠までは小雨模様が続いていた。展望は期待できそうもなく、初日に予定していたアヤメ平は翌日に登ることにして、鳩待峠からはまっすぐに尾瀬ヶ原に向かうことになった。その後は雨は止み、ときどき薄日が差すような晴れ間も見えたのだが、上空には分厚い雲が広がっており、燧ヶ岳の山頂も終日姿を見せなかった。

6月の中旬といえば尾瀬は春真っ盛りで、大混雑も予想される時期である。たしかに鳩待峠も山の鼻も軽装のハイカー達で溢れてはいたものの、思ったほどの混みようではない。木道の周辺に咲く尾瀬の花々を愛でながら、またときどき立ち止ってはそれらをカメラに納めながらのんびりと木道を歩き、見晴十字路のキャンプ場に向かった。湿地帯ではミツガシワやヒメシャクナゲなどが盛りだった。


翌日は朝から晴れ間が広がった。展望を約束されたような快晴である。見晴十字路のキャンプ場から富士見小屋までの直登コースは予想通り、静かな山歩きが続く所で、みずみずしいブナの新緑が溢れる樹林帯をやはりのんびりと登った。登山道周辺では様々な植物が咲き競っていたが、特にムラサキヤシオツツジの鮮やかな紅紫色が印象的だった。やがて到着したアヤメ平からは、予想に違わず、素晴らしい展望が広がっていた。天候にも恵まれ、至仏山や燧ヶ岳はもちろんのこと、池塘越しの平ガ岳や越後の山々も美しく、あらためて尾瀬の魅力を再確認した感じである。ただこの素晴らしい湿原も、以前に多くのハイカー達に踏み荒らされたために、いたるところが裸地化され、痛々しい姿をあらわにしていた。湿原の一部で植生の復元が試みられてはいるものの、なかなか快復するまでには至っていないようである。

アヤメ平からは鳩待峠までのんびりと下るだけだった。木道脇のベンチで少し早めの昼食をする。キャンプで残った食材を全てコッヘルに入れた豪華な(?)ラーメンである。四方に広がる雄大な景色を眺めながらの食事は格別の味がした。ときどき湿原を渡ってくる風が汗ばんだ体に心地良く、時間が経つのを忘れるようだった。至仏山を背景にして、池塘の周辺にはチングルマが咲き始めており、陽射しの強さと空の青さはすでに夏空を感じさせた。


ヨッピ橋近くの池塘のほとりで
[2001.6.16撮影]



尾瀬ヶ原と燧ヶ岳(上田代)
[2001.6.16撮影]


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