山 行 記 録

【平成13年5月26日(土)/南蔵王連峰 蛤山】



1014mのピークから見る不忘山
長老湖や南蔵王方面が一望に出来るところだが
あいにく曇り空で山頂は見えなかった



【メンバー】2名(妻)
【山行形態】夏山装備、日帰り
【山域】南蔵王連峰
【山名と標高】蛤山981m(最高峰はその手前の1014mのピーク)
【天候】曇り
【温泉】高畠町 鈴沼温泉 200円
【行程と参考コースタイム】
林道入口930〜林道終点(蛤山登山口)1025〜蛤山山頂1130-1230〜蛤山登山口1400

【概要】
蛤山は南蔵王連峰からは少し離れた南西に位置しており、不忘山とはちょうど横川をはさんで対峙している。不忘山や南蔵王の好展望台の山でもある。古くからの信仰登山の山らしく、標高も1000m程度と登りやすい山で、我々からすると白鷹山か長井葉山みたいなものだろうか。私は先週の山行の疲れがまだ尾を引いており、今日はカミさんとのハイキングである。

ガイドブック「東北百名山」(山と渓谷社)によると「蛤山登山口のバス停から北の林道をたどる」とあるので、その入口を随分探し回ったが、なかなか見つけることができない。しかたがないので近くの民家の人に聞いてみると、バス路線はとっくに廃止になっていた。登山口は七ケ宿から長老湖方面に向かい、南蔵王青少年旅行村のキャンプ場の少し手前から入るのだった。良く見るとたしかに入口に木の標識が立てかけてあるのだが、まわりの草木が生い茂っているので、これではとてもわからないだろう。また標識の文字もほとんど消えかかっている。蛤山までは4800mと書いてあった。

林道の入口は民有地のためにチェーンで閉鎖されているのでマイカーは入れない。県道に車を駐車して、そこからは林道を歩かなければならなかった。しばらくゆるやかな勾配の林道歩きが続く。周囲は杉の植林地でやがてカラマツ林が目立ってくる。林道終点に蛤山登山口の標識があって、そこからは本格的な山道となった。道は割合に緩やかな勾配で、尾根道の右手には樹幹越しに不忘山が見え隠れした。二つ目の登山道を示す標識を右折すると、結構きつい急勾配が続くようになる。道の両側にはマイヅルソウ、カズラ、ニリンソウなどの高山植物が目立つ。黄色い可憐な花はリュウキンカだろうか。道はいったん緩やかになり、登り詰めたところが1014mのピークらしかった。あいにく今日は曇り空で不忘山の山頂も雲に隠れて見えなかったが、晴れていれば美しい裾野を広げる不忘山や南蔵王の山麓が遠くまで見渡せるところだ。

道はいったん下った後、再びわずかに登ると蛤山の山頂だった。標高は981mで先のピークより33mも低い。周りは太い杉に囲まれていて展望はなかった。山頂には葉山神社を祭った石の祠と、神社の謂れが書かれた古い立て看板がある。他に登ってくる登山者もなく静かな山頂だった。空を見上げると今にも雨が落ちてきそうな空模様だ。ハイキングはやはり天候がよくないと気分は今一つだが、ご馳走だけはたくさんザックに詰めてきている。銀マットを広げて靴を脱ぎ、ザックから弁当やデザート、おやつなどを広げるとたちまち遠足気分になってきた。肌寒いのでお湯を沸かして味噌汁やコーヒーを作り体を温めた。

下山してまもなくすると、ようやく陽射しが戻ってきた。薄暗い登山道にも幾筋かの光線が降り注ぎ、ブナの新緑に反射してまぶしいくらいだ。二人とも現金なもので、塞いでいた気持ちが一瞬で晴れやかな気分になった。それから林道に出るとワラビを摘み取ったりしながら、暖かさの戻った砂利道をのんびりと下っていった。



蛤山山頂
葉山神社の祠が建っている


inserted by FC2 system