山 行 記 録

【平成13年4月21日(土)/吾妻連峰 天元台から大沢下り】



弥兵衛平から西吾妻をバックに(右端のピークは藤十郎1860m)



【メンバー】3名(原、渡辺、蒲生)
【山行形態】テレマークスキーによる山行、冬山装備、日帰り(他の2人はアルペンスキー)
【山域】吾妻連峰
【山名と標高】中大顛1964m
【天候】曇り
【温泉】白布温泉 中屋別館「不動閣」

【行程と参考コースタイム】
自宅615=(車)=大沢駅=天元台湯元駅着800
天元台スキー場リフト終点900〜中大顛〜人形石1015〜明月荘1145-1300〜元小屋1430〜大沢駅1545着
大沢駅=(車)=天元台湯元駅=白布温泉で入浴=自宅着1830

【概要】
今日は今シーズン2回目の大沢下り。前回は単独行だったが、今日は足の怪我のために4年ぶりにスキーを履く原氏と、十数年ぶり(?)にスキーツアーをする渡辺女史の3名である。ちなみに渡辺女史は天元台スキー場のスキー学校の現役指導員。佐藤正人の門下生で我々山の会のメンバーでもある。

リフト終点の監視所にツアーの届け出をすると、林道はもう除雪が終わっているかも知れないよ、と忠告をされた。
今日は上空に寒気が居座っているためか全体に薄雲が広がっており、陽射しはなかった。まあ強い紫外線に晒される心配がない分、ツアー日和とも言えるかもしれないと思いながら、北望台からカモシカ展望台に向かって登り始める。私はもちろんテレマークスキーにシール登高だが、二人ともアルペンスキーを担いで登った。雪はもう完全に締まっていてザラメ雪状態。登りの時間は短いがひとしきり汗をかいた。

シールをはずして中大巓を卷きながら人形石に向かう。陽射しはないものの、東吾妻の峰峰や振り返れば西吾妻、梵天岩など、視界は良好である。人形石からは短い斜面を快適に滑る。藤十郎のピークを卷きほとんど平坦な雪原を東大巓へと歩く。途中、東大巓の少し手前の小高いところで小休止。この辺一帯は弥兵衛平と呼ばれる湿原地帯で、なだらかな雪原が広がっているところだ。時期的には遅いのか、他に滑ってくる人も登山者もなく今日は我々3名だけのようだ。熱いコーヒーを飲みながら雄大な雪原を眺めていると、まるで別世界にいるような気持ちになるから不思議だ。何ものにも代え難い贅沢な時間だった。話が弾んでくると、原氏が早速アルコールをザックから取り出し、みんなに配る。冷えたからだが中から温まった。

明月荘までは東大巓は通らずに直接向かう。しばらくすると樹林の間に小さく小屋の屋根が見えた。
小屋はやはり誰もいないので我々3名の貸し切り状態である。雪の中に突っ込んでいたビールが冷えたのを確認して早速乾杯した。それぞれに持ち寄った食材を床一面に並べたものだから、まるで子供がおもちゃ箱をひっくり返したような賑やかさである。楽しい食事もあっという間に1時間以上が過ぎた。

小屋を出ると風が冷たかった。気温も午前中よりかなり低い状態で体感温度は氷点下である。クジラの大斜面は無木立の快適な斜面。みんな思い思いにシュプールを描きながら滑っていった。1500m付近の急斜面も1カ月前は悪雪で苦労したのだが、この時期はザラメ雪のために気持ちよく下って行ける。渋川を横切り対岸に渡ると、風はいつのまにかおさまっており、体も温まってきていた。振り返れば遥か峰の上の急斜面に我々のシュプールが見えた。推進滑降気味になおも滑ってゆくと、砂盛付近の林道が一部4〜5mほど雪が消えていた。1カ月前はこの道形さえはっきりしなかったのに、この1カ月で雪はほとんど消えてしまったようだ。茂皮平の広い台地状のところで最後の眺望を楽しんだ後、ブナ林や潅木の間を縫うようにして放牧場までは適当に林道沿いに滑った。下るに従って雪はだんだんと少なくなり、どこまでスキーで滑ることが可能なのか不安になりながら放牧場を下って行くと、元小屋からは除雪が終わっていて完全に車道が出ていた。ここから大沢駅までは約3km以上あるのにスキーを担いで歩かなければならない。この時期に駅まで滑り込もうとは少々虫が良すぎたようだ。


カモシカ展望台への急斜面を登る二人



昼食休憩を終えて明月荘を出発する
寒気のために風が強く、体感温度は氷点下だった



元小屋の吾妻山麓放牧場
すっかり除雪がされていたために
スキーを担いで、ここから大沢まで約3km以上を歩く


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