山 行 記 録

【平成13年3月17日(土)/吾妻連峰 天元台から大沢下り】



快晴の中、人形石に到着する



【メンバー】単独
【山行形態】テレマークスキーによる山行、冬山装備、日帰り
【山域】吾妻連峰
【山名と標高】中大顛1964m、東大顛1928m
【天候】晴れのち曇り
【行程と参考コースタイム】
自宅630=(車)=天元台湯元駅着745(リフト始発は800)
天元台スキー場リフト終点850〜中大顛930〜人形石〜東大顛1130〜明月荘1200〜大沢スキー場休憩所1500-1600(列車時間まで休憩)〜大沢駅1620着
大沢駅1632=米沢駅1710=(バス約1時間)=1800白布温泉(徒歩20分)天元台湯元駅=(車)=自宅着2030

【概要】
今週は週始めから快晴が続いており、職場から飯豊連峰や吾妻連峰を眺めながら毎日涙がでそうなほど悔しい思いを味わっていた。ようやく待ちに待った週末である。天候は午後からは下り坂で夕方からは雨が降り出す予報がでているが、今日一日はなんとか持ちそうである。

今日は天元台から奥羽本線の大沢駅まで下るロングコース。そのため一番のロープウェイに乗るために早起きして白布温泉に向かった。予定どおり8時の始発のゴンドラに乗る。リフトはまだガラ空きだった。リフト終点の監視所に登山計画書を提出。いつもカモシカ展望台までは直登しているがまだトレースが見あたらない。待合い室にはザックを背負っている山スキーらしき人達もいたようなので踏跡があるだろうと期待していたが、まだ誰も登っていないようだ。今回はリフトの下り場から見えた右手のトレースをたどってみることにした。これは梵天岩へまっすぐ向かうコースのようだ。昨日か一昨日歩いたような感じの踏跡である。途中からカモシカ展望台への方角に踏跡が二俣に別れており、もちろん左にコースをとる。まもなく樹林帯が切れて展望が開けてきた。振り返れば真っ白い飯豊連峰や朝日連峰が望めた。

カモシカ展望台からは中大顛のピークを卷きながら人形石に向かう。トレースはなかったが今日は遠くまで見渡せるので迷う心配もなく安心だった。快晴のもとで、大雪原を歩くのは本当に久しぶりのような気がした。今年はなかなか天候には恵まれなかったので信じられないほどである。しかし3月ももう半ばを過ぎている。すでに厳冬期は去り春山なのだなあ、とあらためて思った。


西吾妻山(左)、中大顛(右)
東大顛に向かう途中で振り返る

人形石では手当たり次第に写真を撮る。どこを見渡してもなだらかで似たような山が連なっているので、後で写真を眺めてもよくわからないだろうなあ、と思いながらシャッターを押す。人形石でいったんシールをはずし、東大顛との鞍部まで今日最初の滑降を楽しむ。なだらかな斜面なので快適なテレマークターンだ。晴れてはいるが風はめっぽう強い。斜面で立ち止まると半分クラストした雪面を粉雪が舞った。

東大顛までも似たような大雪原の中を黙々と歩いた。このあたりから空には薄雲が広がりだして陽射しがなくなってきていた。雨はまだ降る気配はなかったが、心なしか肌寒くなってきていた。なだらかな斜面を登っていると左手に小さく明月荘が見えた。本当に広い雪原の中にポツンと建っている。これでは吹雪かれたらなかなか見つけられないだろうと思う。小屋まではショートカットしてもよかったが、時間もあるので東大顛のピークまで登ってからシールをはずすことにした。山頂からは少し下ると後はわずかな推進滑降で明月荘だ。




雪原の中に建つ弥兵衛平山荘(明月荘)

小屋には誰もいない。周りにはたくさんの踏跡があり最近多くの人達が訪れた様子が伺えた。早速中には入って昼食。食事をしながら雑記帳をめくってみる。今週の初めに訪れた人も何人かいて、やはり天候に恵まれた喜びの文章が多かった。

小屋を出るとまもなく山スキーの人達に出会った。3人はシールをはずして滑降する準備をしている。私が休んでいる内に小屋を通過したようだった。ここは通称クジラの大斜面と呼ばれるところらしかった。無木立の斜面を快適に滑ってゆく。しかし、だんだん斜面も急になり、コースも狭くなるとなかなか快適な滑りとはゆかず、ゆく先々で転んでは立ち上がりの下りが続いた。雪質はすでにパウダーにはほど遠く、表面が堅く中は湿雪気味のいわゆる悪雪である。急斜面ではほとんど横滑り、キックターンを駆使して下らなければならなかった。潅木帯に入ると割合になだらかなコースが続いてホッとする。やがて林道らしきコースが絡んでくる。牧場からは積雪はあるもののはっきりした林道とわかるコースをたどりながら、やがて大沢スキー場に到着した。スキー場とはいってもここにはリフトもないところで古びた休憩所があるだけである。


シールをはずして滑降の準備をする
通称、クジラの大斜面付近で


大沢スキー場の休憩所
大沢駅はここから10分ほど下る

ここでは例の3人組と途中から一緒になった単独のテレマーカーと、汽車時間まで小屋で休憩をすることにした。汽車の発車時間まではまだ1時間以上もある。小屋にはいると管理人のおばさんがストーブに火を焚いてくれた。私はコーヒーをドリップし、他の人達はビールを注文した。おばさんからはたくあんの漬け物やワラビのおひたしなどをご馳走になり、予想外の楽しい休憩時間を過ごした。

大沢駅はこの休憩所のちょうど裏手にあり、ここから約10分ほどである。体もすっかり温まって外に出るとすでに日が暮れつつあった。スキーを担いで大沢駅に向かった。

米沢駅まで戻り、バスで天元台に向かう。市街地を離れる頃からいつのまにか雨が降り出していた。終点の白布温泉の待合所に着く頃はすっかり暗くなっており、雨足も激しくなっていた。車の駐車してある天元台湯元駅までは標高差150m、1.2〜1.3kmの距離がある。スキーを担ぎ、暗い舗装路を疲れた足どりで湯元駅の駐車場に向かった。湯元駅では雨が雪に変わっていた。




大沢駅


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