山 行 記 録

【平成13年1月29日(月)/蔵王連峰 白石スキー場から不忘山(途中敗退)】




風雪のために正面の不忘山の稜線がよく見えない
登りはじめてから約1時間の地点で



【メンバー】単独
【山行形態】テレマークスキーによる山行。冬山装備、日帰り
【山域】蔵王連峰
【山名と標高】不忘山(途中敗退)
【天候】雪
【概要】
今日も相変わらず雪が降り続いている。特に週末になると天候が悪くなるようで、勤め人にとっては何とも計画の立てにくいパターンだ。東北地方はどこも悪天候の空模様。それならばと太平洋側の晴天を期待して出かけたのが、今日の不忘山である。しかし不忘山といえども蔵王連峰の一角で、悪天候には変わりがなく当然ながら山は風雪だった。上空に強い寒気が居座っているためらしかったが、やはり厳冬期ということなのだろう。山頂を踏むどころの天候ではなく、今日も途中敗退を余儀なくされた山行になった。

白石スキー場から不忘山へのコースは昨年の6月に登っているが冬には初めてである。白石スキー場のリフト終点からだと山頂までは2時間ほど。たいした斜度もないので最初からリフトを使わずにシールで登っても3時間ちょっとくらいだろうか。天候にさえ恵まれれば手軽に冬山を味わえそうなところだが、悪天候は福島県も山形と変わりがなかった。風雪のために歩いたばかりのトレースもたちまち消えてゆくほどだった。

スポーツコムみやぎ蔵王白石スキー場のリフト終点から登り始めたが、こんな天候では誰も登ってはいないだろうと考えていたものの、目の前の斜面にはスキーのトレースが樹林帯の中に続いていた。最初は一人の踏跡と思っていたのだが、進むうちにストックの跡が2種類あり、二人連れで登っているのだとわかった。樹林帯とはいっても付近はまばらな潅木帯といったところで、雪と共に風がすごく強い。しかし先行者は途中の枝先に赤いテープで目印を付けていってくれているので安心だった。その潅木帯もだんだんとなくなってくると吹きさらしの雪原となる。最初はなだらかなのだが徐々に斜度が増した。好天ならば目の前には不忘山の鋭鋒が望めるところだが、今日はほとんど見えない。裾野がうっすらと雪にかすんで見えるだけである。

1時間ほど登った頃、もうこの辺が今日の潮時だろうと立ち止まると、少し先の木立付近からコッヘルなどの食器の触れあう音に混ざって人の話し声がかすかに聞こえてきた。どうやら先行者の二人連れらしく昼食中のようである。ちょうど不忘山への尾根の取り付き付近で、雪ではっきりとは見えなかったが木立の下で休んでいるようだった。

少し太めの木を探して根本の雪を踏み固める。スキーの板の上に腰を下ろして私も食事の準備を始めた。しかしたいした大木でもないので風を遮るほどではなく、吹きさらしの状態には変わりがない。木の根本とはいえ気休めにしか過ぎなかった。今日もメニューは例によってコンビニで調達してきた鍋焼きうどん。鍋の中に雪がまるでふりかけのように次々と降りかかった。本当はのんびりと昼食を楽しみたいところなのだが、雪が降りしきる中でのあわただしい食事だった。

後かたづけをしていると先行者の二人が山スキーで下りてきた。やはり二人とも山頂まではあきらめ、食事だけをして下りてきたようだ。こんな日はしょうがないだろうと、私も二人の跡を追うようにして白石スキー場まで滑り降りることにした。


雪が降りしきり中での遅い昼食


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