【平成12年9月30日(土)〜10月1日(日)/巻機山】
紅葉の巻機山を歩く(左奥が巻機山本峰)
ヌクビ沢出合のクサリのあるナメ滝を登るメンバー
◇11:00 稜線上の分岐
沢沿いの道に別れを告げて草付きの斜面を登ると待望の稜線だった。右には巻機山へとなだらかな登山道が続き、左には端麗な割引山がすぐ目の前である。正面には越後三山、背後には谷川連峰が望める。雲は天高く空は抜けるように青く巻機山は秋真っ盛りであった。ここまで登ってくるときは爽やかな涼風で汗をかいた体には気持ちが良かったが、稜線を渡る風は寒いくらいでTシャツ一枚では肌寒く長袖を着込んだ。ここから御機屋分岐、巻機山本峰へと続く稜線歩きは快適な雲上の稜線漫歩ともいえるところでまさに桃源郷に遊ぶ心境だった。
◇11:35 御機屋分岐 ◇11:50 巻機山本峰
御機屋分岐では多くの登山者が休憩していた。ベンチもいくつか設置されていてみな思い思いに昼食を楽しんでいる。
私たちは巻機山本峰まで足を伸ばしてから昼食をすることにした。なおもなだらかな稜線を進めば標注があるだけの巻機山本峰だった。この先は牛ケ岳へと登山道は続いている。ガイドブックによるとここから牛ケ岳へは往復一時間強とありメンバーはほとんどここで引き返すことにしたが私とT氏の二人だけ牛ケ岳をピストンすることにした。
紅葉の始まった巻機山のなだらかな稜線を歩く
(割引岳から御機屋へ向かう途中で)
◇12:20-13:00 御機屋分岐(昼食)
往復20分で牛ケ岳をピストンしてきた私とT氏はみんなに遅れてビールで乾杯した。雪渓もなくビールは冷えていなかったが疲れた体に染み込むようで少しの量で酔いが回りそうだった。
御機屋分岐からは巻機山避難小屋までいったん下り、前巻機山まではなだらかな斜面を登り返す。前巻機山の頂上を過ぎると後は井戸尾根と呼ばれるジグザグとした登山道を下るだけだった。
◇14:30 六合目展望台
六合目展望台からは午前中歩いてきたヌクビ沢コースを眺めることができた。こうしてみるとヌクビ沢は結構急勾配であり雪が残っていれば石転ビ沢を彷彿させるような感じだ。樹林帯をなおも下り続ける。
六合目展望台と似たような五合目展望台を過ぎ、四合目付近から少し周囲が薄暗くなってきたなと思うとまもなく雨が降り出してきた。しかし大降りになる気配はなく雨具を着る必要もなかった。
◇15:50 桜坂駐車場
ほとんどの登山者は下山した様子で車はまばらだった。今日はこのまま清水民宿の泊まりなのでザックを車に積み込み終えると気分はもう宴会モードである。風呂とビールが目の前にちらついた。
民宿は温泉でないのが物足りなかったがそれは無い物ねだりというもの。汗を流した後に飲んだビールのうまさは格別だった。その夜は多すぎるくらいの料理に舌づつみを打ちながらみんなで酒を酌み交わし山の話に盛り上がった。私たちの他には宿泊者は6人ほどのグループだけで、翌日巻機山に登る様子である。食事を終えて部屋に戻り蒲団に横になると疲れていたのか酔いも手伝ってたちまち皆そのまま眠ってしまった。その夜、本格的に降りだした雨は翌日になってさらに激しさを増し、早朝出発したそのグループは山頂を断念し、まもなく引き返してきた話を民宿の女将から聞いた。
帰路、六合目展望台から見るヌクビ沢コース
左にそそり立つ奇々怪々な岩峰は天狗岩