【平成12年4月29日/北蔵王連峰 雁戸山】
蟻ノ戸渡りと 雁戸山(前山から)
カケスガ峰(手前)と山形神室、大東岳の山々(前山から)
◇12:50 新山コースへの分岐
夏道では通らない前山のピークを経由して蟻ノ戸渡りの鞍部に着いたところでピッケルを抜く。
雪はあまりついていなかったが、ここから山頂までは核心ともいえる区間で慎重に登った。
風は相変わらず強く、飛ばされないように注意しなければならなかった。
◇13:15-13:30 雁戸山山頂(1485m)
山頂からは遮るもののない展望だ。北を見れば山形神室、仙台神室、大東岳。そして振り返れば南雁戸山が目前に迫る。2週間前に登った名号峰や熊野岳はあいにく雲の中だったが、たったいま歩いてきたばかりのカケスガ峰から前山、蟻ノ戸渡りへと続く稜線は雪を抱いて美しかった。腰を下ろして軽く行動食を口に入れながら小休止をする。
しかし風が冷たく、写真を撮るために手袋をはずすと手指の感覚がなくなってきそうだった。
ここより標高の高い朝日や月山では今日も雪が降っているらしく、この時期は冬山の装備は必需品である。
雁戸山山頂から俯瞰する蟻ノ戸渡りと前山(左奥)
雁戸山山頂から南雁戸山
雁戸山山頂で
下山路は快適な雪道歩き。広々とした雪原をどこを通ってもよいのだから楽しい。転がるように、また滑りながら下った。
今回の積雪期の雁戸山は初めてで、笹谷峠からだと雁戸山までの標高差は約600m。たいしたことはないのだが、雪があるというだけで充実感のある山歩きを楽しむことができた。夏道の場合、登り始めはほとんど樹林帯のなかで展望はないのだが、この時期は潅木や細い木は雪に埋もれているために視界がきき、常に周囲を見渡せるのだ。したがって風景も夏山とは全く違った感じで、これも残雪期の山歩きの楽しみのひとつである。
これで天候が晴れていれば文句無しの春山なのだが....と思いながら春の雁戸山を後にした。
◇15:00 笹谷峠